共感の精錬 (3) アルマデンの上を歩く

アルマデン鉱山跡を歩きながら、日本列島の丹生の路にも思いをはせる。日本は丹の産地すなわち水銀朱という地下に眠る天然資源を探しあて、それを採掘して精製した技術と産業経済史の宝庫でもある。アルマデンで拾った鉱石のかけらには、地球の歴史が凝縮されている。じぶんが地球だったら、この岩石は皮膚の一部であり、来歴の記憶なのだ。

共感の精錬 (2) 朱・水銀の歴史と文明

丹(に)は、朱色の鉱石。古来より、文明の興亡、人間の歴史・文化に特別な影響を与えてきた希少資源。硫化水銀(朱)と水銀(ミズカネ)。地球という私たちの住処にはわずかしかない特殊な鉱物が、人間のいのちの営みとも、想像の世界とも深い関わりを持ってきた。日本列島も、古代から現代まで、各地に刻印を残してきた鏡のような存在である。

共感の精錬 (1) アルマデン水銀鉱山遺跡を訪ねて

アルマデン水銀鉱山遺跡自然公園。歴史文化遺産地域全体が、生態系の保護を目的とした自然公園ハイキングトレイルになっている。カリフォルニアの歴史、そこに映る文明の象徴、人間の営みの証がここに凝縮している。ここは、丹(に)の生まれる所。丹生(にう)に関わるあらゆるイマジネーションを精錬し、ひとつのストーリーに仕上げたい。

やわらぐふるまい

はじめに「やわらぐ作法」

「作法」ということばを聞いて、かたくなったり、構えたりする、まったく必要はありません。

作法というと、お茶の作法、坐禅の作法など、礼儀やマナー、古くからの決まり事のイメージでしょうか。作法とは呼ばなくても、パスやキャッチボールなど、運動でも、料理の手順、楽器や道具の使用などでも、ほとんどの物事には、基本的な所作、大切なルールがあります。それらはみな、作法です。

たなと

「たなと」は、素手でふれあうもの

「たなと」をやさしく手にとってみてください。「たなと」は「手でふれあう相手」「手の友」「たなごころのとびら」という思いをこめて名づけたものです。

[ いま ] のひと時に委ねて、そこで感じられるじぶんを想像してください。

「たなと」は、力を抜いた時の、手のかたちでできる空間のかたちをしています。やさしく手に包まれる時のかたちです。手のひらにのせる、手の中に包むとき、自然に和らぎができます。