おなじ空気を吸っている (We live the same air)

「今日、世界中どこにいても、人が息をすると、その呼気の中に少なくとも1個のカエサル由来の分子が含まれている。」岩村秀さんによる、興味深い話。英語で「みな共に生きている」ことを、「みな同じ空気を吸っている」と表現します。本当に、おなじ空気のつぶをわけあっているのですね。時間も空間もこえて、空気で直接つながっています。

We all breathe the same air.

学知にあらず [なぜ、Good morningと言うのか?]

Good morningは「おはよう」と習います。が、これだと肝心な、ことばの心がわかりません。もとは、I wish you a good morning. です。あいさつとは、ねがいをことばにして相手に投げかけることです。それを身につけるには、知識ではなく体験。あいさつをする行為です。心の行為がセンスを磨くのです。

Good morning.(いい日でありますように)

Life is an adventure (3)[ハックルベリーフィンの冒険]

『ハックルベリー・フィンの冒険』を深く味わうには?ミシシッピ河の大自然を背景に、次々に繰り広げられる事件をハックが逃亡奴隷ジムと共に切り抜けていく物語です。勇気のある行動とか、モラルの決断といったものは、頭で考えてできるものではないようです。その都度、最善を尽くして行動する過程そのものが、勇気であり、モラルなのです。

If you tell the truth, you don’t have to remember anything.(真実を語っていれば、何も覚えておく必要はない)

声は、じぶんと宇宙を結ぶ路

声は、かぜ。空気の濃淡。声は、おと。息づかいの響き。声は、ことば。ふれあう心、つながりの体験。声は、あいて。存在のありがたさ、縁の源。声は、じぶん。ふるまいの実感。勇気のしるし。声は、じかん。生きている証、生きる対象。声は、ふしぎ。宇宙のつながり。声は呼吸がつくる共鳴音、空気分子の濃度。そして、じぶんと宇宙を結ぶ路。

Be a voice. (声になれ)

静穏と縁 [ムーミントロール]

飯能市につくられたテーマパーク「ムーミン谷」は、10年ほど暮らしていたスウェーデンの風景によく似ています。こどものころ探検していた川の水が、ズイドウとよばれる地下トンネルでその湖に注がれていたことを思い出します。縁ということばは、ものごとのつながりや、そのようになる、めぐりあわせという意味ですが、そのことを実感します。

It’s auspicious.(いいことがありそうな)

蓄音機と人間の不思議②(ことばはふりかえるから内面化する)

100年前の蓄音器は、現代の学習のあり方を考えさせてくれます。知識は何でも調べられ、オンライン講義、豊富な動画があります。でも、足らないものがあります。ふりかえる体験、わかちあう体験。ことばはじぶんの身体を通してはじめて内面化します。声のあることばが血肉するのです。ことばが身につくとは、そのようにしてじぶんが変化すること。

You can only internalize anything when you practice it.(どんなことも、実際にすることで身につく)

世界は「原因→結果」だけではない

私たちは「原因→結果」という線の考え方に慣れています。一方、「原因と結果をつつむ場の性質」についてはあまり考えません。岩田慶治さんは、こう言います。「飛ぶ鳥が道を間違わないのは、空中に道があるからである。出発点が到達点だったのだ。このことは人生の生死を考えてみれば、よくわかるだろう。表裏一体、生死はひとつなのである。」

Life is not a one-way street.(人生は一方通行ではない)

ホモ・エンパテマ[人間は共感する存在]

人間の本質を表すことばが数多くあります。ホモ・サピエンス(知性をもつ存在)、ホモ・ファーベル(ものをつくる存在)、ホモ・ソシアリス(集まる存在、ホモ・ルーデンス(遊ぶ存在)など。私たちは、ホモ・エンパテマ(共感する存在)でもあります。宇宙の中の、たったひとつのじぶんであり、同時に、すべてのものとつながるじぶんです。

We are practitioners.(プラクティスする人)

「だいじょうぶ」と「ありがとう」(知行合一のプラクティス)

絵本『ありがとう』で、むろふしきみこさんは、「人々の交流こそが生きる力の源」だと言います。ふだんのことばにこそ宿る力があります。相手を思い浮かべ、声のセリフを演じる時。じぶんもその声を心身で聞いています。「だいじょうぶだよ」と「ありがとう」は、身をもって知識と行動を身につける(知行合一)プラクティスの代表です。

If you don’t have the line of words, how can you act on it?(そのセリフを身につけていないのに、どうやってそれを演じることができる?)

みずからに語り、つづる。

ローマの哲人皇帝マルクス・アウレリウスは、静かにじぶん自身と対話をもち、自らに語りました。「じぶんの自然と、宇宙の自然とに従って、まっすぐな道を歩め。これらふたつの道はひとつのものだ。」内省とは自己分析ではなく「宇宙の自然、その法に一致して生きる」という希いを念じること。静かにすわり、大切なことばを声にすることです。

Follow your own nature and universal nature.(じぶんの自然と、宇宙の自然とに従って、まっすぐな道を歩め)