雨になった足|ことばを移すと体験が生まれる①

雨になった足。海になったスニーカー。ことばを移すと、見え方が変わります。「こどもの頃、雨が降って水たまりが洪水になると、それだけで高揚した。長靴をはいて水たまりに入ると、それだけで興奮した。夢中の果て、長靴の中も海になった。あの感覚が蘇える。」両足と豪雨、スニーカーと大海。別々のものが重なる時、新しい経験が生まれます。

Words seed your view.(ことばが、見方のタネをまく)

まぶす、あえる、つつみこむ|発想とは逆転させること②

乾燥マンゴーに唐辛子をまぶす。甘さと辛さ、異なるものを隔てず、近づけ、あえ、包みこむ。発明は一人の天才のひらめきとは限りません。すでにあるものを少しずらし、異なるものを重ね合わせる。何世代もの無数の手が、屋台の味を変奏し、育ててきた。発想とは分けて考えるクセを手放し、出会わせ、混ぜ合わせ、そこに新しい関係をつくること。

Unlearn the divide. Think the other way around. (分けるという発想を手放せ)

カギは未知へのひとり言にある ③|あえてじぶんにたずねる—Dare to Ask

教えたことを覚えたかは、テストでわかる。でも、何が身についたかは? その本人がじぶんだったら?身についてきた? 何か変わった? じぶんにとって意味がある? 正しい答えはいりません。あえて声に出してじぶんにたずね、ふりかえる。その体験が自問する力を育てます。じぶんから問いをもつことで、じぶんにとって大切な意味が生まれます。

Dare to ask yourself. (ひらきなおって、じぶんにたずねる)

カギは未知へのひとり言にある ②|だれにでもある成功体験—Dare to Ride

ひらきなおる。思い切ってやってみる。そのために、じぶんの成功体験をことばにして持ち運びましょう。Dare to Ride。初めて自転車に乗れた日も、転んでは立ち上がるくりかえしが、身体にバランスを刻み込みました。どうすれば乗れるか説明できなくても、身体は覚えています。心配いりません。動けば、身体が覚えてくれます。

Dare to ride.(思い切って乗ってみる)

カギは未知へのひとり言にある ①|Dare to Suck—Ed Sheeran

創作とは、よい結果をめざして数を重ねることではなく、まだ何になるかわからない、未知ににじぶんを向け、「1」を重ねることです。エド・シーランは、320曲から13曲を残した結果ではなく、その一曲一曲を生み出す時に「Dare to suck」とじぶんに声をかけます。下手でもいい。そのひと言が、未知へ踏み出す原因をつくります。

Dare to suck.(下手をさらせ)

Young woman wearing a gray t-shirt and denim overalls brushing her teeth with a white toothbrush.

じぶんを動かすしくみ|Self-Agency ⑦ 自走(明日につなぐ)

プラクティスは、やったら終わりではありません。終わりまでていねいにし、練習と練習の「あいだ」も大切にする。ことばを思い出し、後でもう一度声にすることで、覚えたことを必要な時に取り出しやすくします。内なる声も使いながら、今日の体験を明日へつなぐ。その小さなくり返しを毎日のしくみにすると自走する力が少しずつ育っていきます。

Keep it with you. (そのまま、持っていく)

Young woman with a red shirt and ponytail gazing upward at an orange sunset sky.

夢は、後からできる|Aspiration ⑥  

あなたの夢は何ですか?私たちは何度もこの質問を受けてきました。でも、この質問はなかなか答えられない性質のものです。夢がないからではありません。多くの場合、後からふりかえって初めて気づきます。夢は未知。まだわからないから、夢。歩き始めて少しずつ夢ができてくる。何度もくりかえし、ことばにしていくうち、夢になってくるのです。

Aspiration is an act of self-agency. (ねがいは自覚のふるまい)

Young man seated at a wooden table indoors, hand on his chest with a surprised expression, smartphone in front.

響いたことばを、じぶんの声にする|Aspiration ⑤ 

心に響いたことばも、声にしなければ、いつの間にか薄れていく。外から届いたことばを、じぶんの声にする。じぶんの身体を通して発することで、ことばは情報ではなく、じぶんの内側で育つ力になる。じぶんから出た声が、じぶんの耳に届く。その循環が、まだ形になっていなかった思いを、じぶんのふるまいを、静かに少しずつ変えていく力になる。

Sow a seed.(声のタネをまく)

蓄音機と人間の不思議③|声音がタイムマシン

写真は光を残します。音は記録した振動をもう一度空気の波に戻して、はじめて声音としてよみがえります。100年前の声が、いま私たちの身体を震わせる。人の記憶も同じです。語ることで場所、人、気持ち、ことばが結び直され、過ぎた時間がいまに現れます。声とコンテクストを残すこと。それは未来からたどれるタイムマシンをつくることです。

Voice brings time back.(声音はタイムマシン)

Caregiver guiding an elderly woman with a walker in a bright room, wheelchair nearby in a care setting.

いのちある限り、回復できる|レジリエンス ⑥

医師から何度も「今日かもしれない、明日かもしれない」と告げられながら、95歳のカズコさんは今日もリハビリを続けます。回復とは、昔の身体に戻ることではありません。変わっていく身体で、いつものじぶんに戻ること。人は寿命を迎えるその時まで、回復する力をもち続けています。レジリエンスとは、そのいのちの働きです。

Keep your self-agency. (じぶんを動かす力を保つ)