言語の出生地|耳と目の結婚②
耳は聞く役割、目は見る役割。それぞれ別系統で情報を入力しています。大脳皮質の中で、目から来た情報の波と耳から来た情報の波がぶつかるところに発生するのが言語です。別々の情報経路を共通にできるのが人間の脳。そのようにしてことばは生まれ、人間は進化しました。耳と目の結婚によって、ことばは五感と結ばれ、全身と一体化しています。
Ears and eyes got together and created language.(耳と目が結婚してことばが生まれた)
耳は聞く役割、目は見る役割。それぞれ別系統で情報を入力しています。大脳皮質の中で、目から来た情報の波と耳から来た情報の波がぶつかるところに発生するのが言語です。別々の情報経路を共通にできるのが人間の脳。そのようにしてことばは生まれ、人間は進化しました。耳と目の結婚によって、ことばは五感と結ばれ、全身と一体化しています。
Ears and eyes got together and created language.(耳と目が結婚してことばが生まれた)
古い地名・人名・神社名・伝承から日本人の信仰や意識の古層を解き明かし、民俗学の発展に大きな功績を残した谷川健一さんはこう言います。「古代の歴史は「耳と目の結婚」として象徴的に捉えられる。」この話は示唆的です。人間のことばも音のつながりとイメージを結びつける働き。 耳(聴覚)と目(視覚)の結婚で言語が誕生したのです。
Listen to what you can see.(見えるものに耳を澄ます)
私たちは、秒速 600kmで宇宙を移動しています。地球は太陽系の一員。太陽は天の川銀河の一員。動かなくても、1日で5000万キロを旅しています。宇宙誕生時の光による「温もりマップ」。「宇宙のものさし」に照らし合わせると想像が膨らみます。ひとりでは気づけないけれど、ちがうものさしの存在を知るだけで気づけることがあります。
Change your scale.(ものさしを変えよ)
ふだん、ことばが先にあり、それでやりとりすると思っていますね。実は、他者との、ことば以前の対話からことばは生まれます。その逆ではありません。対話性によってことばを獲得します。私たちは相手とやりとりすることばと共に生きていて、それが内なる対話もつくります。脳内に声で発するインナースピーチで対話する存在。それがじぶんです。
I am the dialogue with myself.(対話がじぶん)
草間彌生さんは、じぶんを苦しめる幻覚や強迫イメージを、水玉や網にして表し続けました。消すのではなく、カタチにして、関係を変える。草間さんは「self-therapy」と呼びます。表すことは、芸術家だけのものではありません。声にする、書く、描く、つくる。克服とは新しい意味を生み、じぶんと世界との関係をつくり直すことです。
My life is a dot lost among thousands of others.(私の人生は、無数の水玉の中のひとつ)
「十字架を背負って生きるのよ。」そのことばはいつも私の心にありました。長い間、「重荷を克服して生きる」という励ましに聞こえていました。30年がたち、あの日のことを書きました。描いてみると、ずっと脳裏にあった光景を、じぶんの外に置くことができました。十字架とは重荷を担ぐことではありませんでした。そのことに気づいたのです。
You’re not alone.(ひとりで生きているのではない)
『スーホの白い馬』より。白馬はこの世のいのちはなくなったけれど、モリンホールという楽器の音色になって、スーホと共に生きます。私たちは、人間であれ、馬であれ、ものであれ、「こころの世界」でも生きています。悲しみを解決することはできません。だからこそ、生きることのありがたさを学び、克服するという知恵を身につけられるのです。
You are not alone.(共にいるよ)
「空の色が濁りました。」夏目漱石の『三四郎』の一場面です。透き通る藍が薄くなり、その上に白い雲が鈍く重なり、乳白、灰青、薄黄が溶けあう。「濁った空」は、光の散乱によって実際に起こりうる空の姿でもあります。けれども、三四郎はその空を以前にも見ていました。変わったのは、空ではありません。「濁る」ということばを得たのです。
Words seed your view.(ことばが、見方のタネをまく)
雨になった足。海になったスニーカー。ことばを移すと、見え方が変わります。「こどもの頃、雨が降って水たまりが洪水になると、それだけで高揚した。長靴をはいて水たまりに入ると、それだけで興奮した。夢中の果て、長靴の中も海になった。あの感覚が蘇える。」両足と豪雨、スニーカーと大海。別々のものが重なる時、新しい経験が生まれます。
Words seed your view.(ことばが、見方のタネをまく)
乾燥マンゴーに唐辛子をまぶす。甘さと辛さ、異なるものを隔てず、近づけ、あえ、包みこむ。発明は一人の天才のひらめきとは限りません。すでにあるものを少しずらし、異なるものを重ね合わせる。何世代もの無数の手が、屋台の味を変奏し、育ててきた。発想とは分けて考えるクセを手放し、出会わせ、混ぜ合わせ、そこに新しい関係をつくること。
Unlearn the divide. Think the other way around. (分けるという発想を手放せ)