原理を身につける (1) ことばは〇〇。

母語の日本語。音で身につけています。文字で覚えることもできますが、身体で身につけるのは、音。ふだん、話したり、聞いたりする身体運動は、ほとんど無意識的です。ことばは音だという根源的なことに気づきにくいのです。言語習得の基本原理は、身体で音をつくりだし、相手の音を捉え、それを脳内でイメージと結びつけられることです。

Language is sound.(言語は音)

じぶんの中にコロンブスの卵を見つける

アンドレ・マルティネが唱えた「二重文節の原理」はコロンブスの卵です。人間のことばは、音声の最小単位「音素」と、意味の最小単位「形態素」の両面で機能しています。音素という限られた数の表現を組み合わせ、無数のパターンを生み出せます。マルティネがこの事実を発見し、原理として唱えるまでそのような考え方はありませんでした。

Find your Columbus’s Eggs.(じぶんの中のコロンブスの卵を見つける)

人生はクイズではなくゲーム。(縮図体験)

Contextoは、推測した単語の位置を手がかりに、できるだけ少ない回数であてるワードゲームです。人生の縮図があります。(1)うまくいく時といかない時(2)ヒントに助けられる時と縛られる時(3)ひとりでも続く時と続かない時(4)1人の方がよい時、2人の方がよい時、3人の方がよい時。人生はクイズではなく、ゲームです。

Life is a game, not a quiz.(人生はクイズではなく、ゲーム)

心のB面をかけよう③(克己心のスイッチ)

克己(こっき)心ということばがあります。己(おのれ)に克(か)つ。じぶんに勝つ?負けない?よく考えてみると変ですよね。じぶんは闘う相手ではないはずです。心の働きをA面とB面で捉えるとわかりやすくなります。A面は自己中心の心。B面は自己中心を取り外す心。克己とは、B面がA面を超えること。心の状態がまさる(克つ)ことです。

Improve yourself. (じぶんをよくする)

心のB面をかけよう②(Don’t give in)

英語にこういう表現があります。Don’t give in to yourself. (じぶんに負けないで)give inとは、退く、降参すること。心が「負けた状態」に向かうことです。負けた状態とは、言い換えると、心のA面でいきづまることです。ふだんの生活はギッシリつまっていて、前に進めない。だから、心のB面がいります。

Don’t give in. (負けない心を)

心のB面をかけよう①(Embrace the B-side)

心の切り替えが必要だとわかっていても、なかなかできないですよね?なぜかといえば、心に切り替えスイッチはついていないからです。じぶんのふるまいで、切り替える必要があります。心の働きにはふたつあります。A面:じぶん勝手な心(ふだんは気づいていない)と、B面:じぶん勝手ではない心(A面のじぶんに気づく時)。B面をかけるには?

Embrace the B-side. (B面でいこう)

ことばを身につける ④ 「心(ことば)のものさし」をつくる

ことばの単位というと文字や単語を思い浮かべるでしょう。が、それらは、ことばを聞いたり、発したりする時の、あなたの「ふるまいの単位」ではありません。また、録音された音声を「後から測る」ことはできるけれども、ことばのふるまいの目安・基準となり、ふるまい自体をじぶんで見て、ふりかえれるように測るものさしはありませんでした。

Have a yardstick for life (practice).(人生=プラクティス の、ものさしを持とう)

ことばを身につける ③「運動のトレーニングとおなじように、適度の強度が必須」

トレーニングにはインテンシティ(強度)が必要です。適度な負荷をかけることで鍛えられます。脳でも肉体でも基本はおなじ。英語の学習は、その典型例。適度な強度とは(1)ネイティブの速さ・リズムに近づける(2)2秒のセリフを、いったん覚えて、ひと息でアウトプットする(演じる)(3)くりかえし、ふりかえり 、じぶんで確かめること。

Do it with intensity.(強度のある練習を)

ことばを身につける ②「処理することを学ぶ、処理したものだけが身につく」

言語の習得とは「処理を身につける」ことです。処理したものだけが、身につけられます。処理していないことを学ぶことはできません。プラクティスしないことは身につきません。プラクティスとは、身体全体が処理するプロセスです。そのプロセスを担う働きがワーキングメモリ。ワーキングメモリを鍛える方法は、2秒のセリフのアウトプットです。

No processing, no learning.(プロセスしないと、学べない)

ことばを身につける ①「ワーキングメモリは、心の玄関」

学びの土台は覚えることです。ワーキングメモリはその中核です。日本語の作業記憶という響き以上の、重大な役割を担っています。次々に入ってくる情報を、一瞬で処理しながら、長期記憶とやりとりし、同時並行して起こる情報を統合するプロセスです。何をするにも、ワーキングメモリを通るのですから、まさに心の玄関。心の働く現場です。

Cultivate your working memory.(ワーキングメモリを鍛えよ)