Empathemian, Pearson-Arastradero Preserve, Palo Alto, California

大切なこころの糧は、われとなんじの体験。

神谷美恵子さんの『こころの旅』から。

人間は過去からの蓄積なしには新しいものを創り出す素材にさえこと欠く。何もかもはじめからひとりで創り出すということはありえず、文化への新しい貢献も過去の人々の業績や同時代の人びとからの啓発や協力によって、生まれてくるのだとすれば、「学ぶこと」の大切さは文化や歴史をつくる上で、

こころの世界をまとまりあるものとするため、はかり知れない。

もし若き日に一生をつらぬくほどの友や師とのこころの交わりが与えられたら、それは人生の最大の幸福の一つにちがいない。現代の社会や学校はこうした人間的な「出会い」の機会をどれぐらい提供しているであろうか。青年にとって知識以上に、

大切なこころの糧は、こうした「われとなんじ」の体験である。

何かができるスキルを獲得することだけが、学びなのではなく、もっと広く、じぶんと相手があり、世界があるということが感じられることが、いちばん大切なのですね。

そのように、親身になって関われること、共に生きることの体験こそ!


出典:神谷美恵子『こころの旅』「学ぶということ」「こころの友をもとめて」