All you need is love|誤解を解く⑤ (歌えば、歌があらわれる)
すべての音は空気の分子の振動。歌声は空気を響かせます。歌えば、必ず、歌があらわれる。声に出して歌われる時、それが、歌。なんでそんな、わかりきったことを、ややこしく言うのでしょうか?それは、わたしたちは、ことばのおかげで、やらなくても考えることができるからです。考えているつもりで、何もしないままになってしまうからです。
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すべての音は空気の分子の振動。歌声は空気を響かせます。歌えば、必ず、歌があらわれる。声に出して歌われる時、それが、歌。なんでそんな、わかりきったことを、ややこしく言うのでしょうか?それは、わたしたちは、ことばのおかげで、やらなくても考えることができるからです。考えているつもりで、何もしないままになってしまうからです。
「なすことは、なされる。」することと、されることは、おなじこと。それなら「やれば、できる」と言えばすむのでは?いいえ。そう言ってしまうと、肝心なことを誤解するおそれがあります。「やらないうちに、やったことになってしまうこと」も含まれてしまうからです。じぶんでやってみて、やったことがあらわれる。それが肝心なこと。
You become what you do every day.(毎日する行為が、じぶん)
風という「もの」があって、あとから吹くのではありません。木の葉が揺れ、雲が流れ、頬に空気が触れる。その動きを、私たちは風と呼びます。loveも同じです。「愛」という概念を知ることと、実際に愛することは違います。声をかけ、話を聞き、手を差し伸べ、そばにいる。じぶんでする行為の中に、loveがあらわれます。愛があらわれる。
風は吹かない。
ビートルズのAll you need is loveという曲は「愛こそはすべて」という邦題で知られています。ところが、この曲の意味は「愛こそはすべて」ではありません。「愛さえあれば、何もいらない」でも、「愛があれば、何でもできる」でもないのです。愛という概念の常識ではなく、大切にする、愛するという行為を歌っています。
Nothing works unless you do.(じぶんでしなければ、何も起きない)
イタリアをドライブ中。バックミラー越しに、後部座席で車内の音楽を聞いている9歳の息子のクスクスと笑う様子が見える。曲が進むにつれ、ケラケラと笑いだした。「何がおかしい?」「なんかへんだよね?」「どうして?」「だってさ、何でそんな曲を歌うの?」私はこどもの時からこ曲を何百回も聞いてきたのに。考えたことのない衝撃があった。
Why do you sing a song like that?(なんでそんなこと歌うの?)
記憶があるから、思い出すのではありません。思い出すから、記憶になるのです。思い出すのは、脳がひとりでやっているわけでありません。道具の手助けなしには、なかなかでてこないものです。記憶は「つながり」です。つながりによって、その都度、アウトプットされてくるものです。50年以上前の、一枚の写真からのエピソードです。
We don’t remember days. We remember moments.
小脳の大きさは脳全体の10%ですが、ニューロンは大脳の140億に対して1000億。大脳皮質の指令にそって身体筋肉の微細な動きを調整します。言語でも、リズム感と発音の身体記憶など重要な役割を果たします。小脳をトレーニングするには?絵を見て想像し、セリフを演じることです。イメージとリズムをつなぎ、耳と目の連携を強めること。
よく「大脳は思考、小脳は運動」「右脳は想像力や感情。左脳は論理や計算」と言われますが、各部署が連携して膨大な情報を瞬時に、絶え間なく処理しています。脳は統合されたひとつの働きをします。右脳と左脳があるのではなく、大脳に右半球と左半球があるのです。「言語は左脳の働き」と言った説明もありますが、これも誤解を生む表現です。
Left and right work together. (左と右の協働)
古い地名・人名・神社名・伝承から日本人の信仰や意識の古層を解き明かし、民俗学の発展に大きな功績を残した谷川健一さんはこう言います。「古代の歴史は「耳と目の結婚」として象徴的に捉えられる。」この話は示唆的です。人間のことばも音のつながりとイメージを結びつける働き。 耳(聴覚)と目(視覚)の結婚で言語が誕生したのです。
Listen to what you can see.(見えるものに耳を澄ます)
私たちは、秒速 600kmで宇宙を移動しています。地球は太陽系の一員。太陽は天の川銀河の一員。動かなくても、1日で5000万キロを旅しています。宇宙誕生時の光による「温もりマップ」。「宇宙のものさし」に照らし合わせると想像が膨らみます。ひとりでは気づけないけれど、ちがうものさしの存在を知るだけで気づけることがあります。
Change your scale.(ものさしを変えよ)