Young boy waters a sapling with a metal watering can while an adult man watches in a sunny backyard garden.
Empathemian『First things first』

Remember: First things first.(大切なことを、まず先に。これが絶対原則)

私たちは、結果を見ます。

成績。順位。評価。成功。

それらは、すべて結果です。ところが、結果は変えることができません。

変えられるのは、その結果を生み出している原因だけです。

それでも、私たちは結果を追い続けます。

社会がそう教えるからです。

「もっと結果を出しなさい。」
「もっと成果を。」
「もっと評価を。」

誰も、「もっと原因を育てなさい」とは言いません。

だから、つい、基礎を飛ばします。
だから、つい、練習を急ぎます。

だから、子どものように学ぶことがどこか、はずかしく感じられます。

そのため、First Things First(大切なことをはじめにする、という「一事が万事」の原則)を忘れてしまうのです。

目に見える結果ではなく、目に見えない原因に直接働きかけることです。

原因が変われば、結果は変わります。

You can’t work on others’ visible results. Work on your own invisible causes.(他人の目に見える原因はまねできない。じぶんの内側の見えない原因に働きかけよ。)

世の中には、たくさんの教えがあふれています。

成功した人が、結果を語ります。うまくいった人が、蘊蓄を語ってくれます。先生が「正解」を教えてくれます。

そのどれもが、その人が本当だと信じることを伝えようとしています。

けれども、私たちは、そこで勘違いをします。

その人が話しているのは、結果です。その人の中で、すでに実った、実です。

私たちに見えているのは、その人の結果だけ。その人が、何を積み、何をまき、何を、どれだけくり返したのか。その、目に見えない過程は、語られたことばの中には、入っていません。

だから、コツだけをまねようとしても、同じ結果にはなりません。

その人がうまくいった理由は、その人の身体、その人の環境、その人が積んできた時間の中でのことです。

あなたの身体は、違います。あなたの環境も、違います。あなたが積んできた時間も、違います。

おなじプラクティスでも、あなたがすでに持っている「暗黙の前提・文脈」は、人とは異なっています。

同じコツが、あなたにいつも同じように働くとは、かぎりません。

十人いれば、十の原因があります。

だからこそ、大切なのは、だれかの結果ではなく、じぶんの中の原因と過程です。

他人の結果は、まねられません。まねられるのは、原因のほうです。

Build the practice within.(じぶんの内側でまわるしくみをつくる)

ここで、あなたは、ふと思うかもしれません。

これも結局、一つの教えではないか。私が何かを語り、それをあなたが読んでいるだけではないか、と。

そう見えるかもしれません。

けれども、私が伝えようとしてきたのは、私の考えではありません。

人によって変わる考え方ではなく、人が何かを身につけるとき、だれにでも共通して働く、変えようのない原理原則だけです。

自然の摂理に従うといってもかまいません。それを、同じことを言い換えながら、角度を変えながら、何度も見てきました。

ただし、それだけでは、まだ、足りません。

あなたは、「なるほど」と思って、このまま閉じることもできるからです。

なので、「原因を知って、原因をまねずに終わる」ことを避けるため、エンパレットノートには、「声に出すことば」と私の音声がついています。

原因をまねることを、たった今、この場でプラクティスできるようにするためです。

ことばを、声にする。
あなたが、実際にすることで、そのことばはあなたの内側にまかれます。

その一回が、「原因をまねる」という最初のプラクティスです。

エンパレットノートは、ただの記事ではなく、あなたにとって「原因をまねる」ことのできる、数秒のプラクティスの場でもあるのです。

他人の結果を読むことはできます。でも、それだけでは、あなたの内側に原因は生まれません。

ことばを、じぶんの声にする。それが、ことばのタネを、じぶんの内側にまくことのできる、ただ一つの方法です。

声にしたことばは、耳からじぶんに返り、脳と身体に刻まれていきます。そのくり返しが、やがて、あなた自身のプラクティスになります。

他人の結果を読むことは、実を見ること。じぶんの声にすることは、タネをまくこと。

「結果を知ること」と「原因をつくること」はちがうのです。

人の個性、ふるまい、暗黙の前提は、十人十色でも、プラクティスの絶対原則と呼べるのは、ただひとつのことだけです。

じぶんの原因から始める。

それが、First things first であり、一事が万事、すべてに通じる絶対原則です。

その最初の一歩が、ことばを声にすることです。
声に出せば、あなたの内側にタネがまかれます。

このひとことを言ってみてください。

First things first. (一事が万事)

作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど

(*補足)ことばは、じぶんの声にしてはじめて、じぶんの内側に返ります。実際に音声として発する場合も、声を伴わないインナースピーチの場合も、ことばをじぶんの発話として再現する点では同じです。他者や先人のことばを、じぶんの声として再現し、くり返す。その再帰によってしか、ことばのタネを脳と身体にまき、じぶんのプラクティスとして身につけることはできません。

「First Things First シリーズ」:

⚫︎ 歩ける前に走れない|First Things First ① ものごとには順序がある

⚫︎ 屋根から家は建てられない|First Things First ② ものごとには構造がある

⚫︎ タネをまかずに実はならない|First Things First ③ ものごとには因果がある

⚫︎ ダシはあとから入れられない|First Things First ④ ものごとには不可逆がある

⚫︎ 鏡の前に立たなければ、じぶんの姿は映らない|First Things First ⑤ 認知には法則がある

⚫︎ 上達に迂回路はない|First Things First ⑥ プラクティスには法則がある

⚫︎ 他人の結果はまねられない。原因をまねよ。|First Things First ⑦ プラクティスには絶対原則がある

First Thing First シリーズ(まとめ)

歩ける前に走れない|First Things First ① ものごとには順序がある

歩ける前に走ることはできません。立つ前に歩けません。何事も順序があります。私たちは母の胎内にいる時から音を聞き、生まれた時には、まだ目も身体も十分には使えなくても、耳はすでに働いています。人生は「耳のことば」から始まります。声を聞き、リズムを身につけ、まねて、じぶんでも言えるようになる。その順序の中で、人は成長します。

屋根から家は建てられない|First Things First ② ものごとには構造がある

人の絵を描く時、頭から描きますね?家なら、屋根から描くでしょう。絵の中では、完成した姿から自由に描けます。しかし、実際の家を屋根から建てることはできません。まず土台をつくり、柱を立て、その上に屋根を載せます。思い描く時は完成形から、現実につくる時は土台から。反対向きの二つのモードが組になり、ものごとは生み出されます。

タネをまかずに実はならない|First Things First ③ ものごとには因果がある

タネをまかなければ花や実はなりません。人の成長も同じです。ねがいを声にした瞬間、思うこととつくることはひとつになります。その声をくり返すことが未来へ向かうプラクティスです。でも、タネだけでは実りません。土も、水も、光も、風も、虫も、支えてくれる人もいる。未来は、今日まいたタネと、それを育てるすべてのものから生まれます。

ダシはあとから入れられない|First Things First ④ ものごとには不可逆がある

とんこつラーメンは後からダシを入れてつくれません。骨を煮込んだ出汁は、あとから注いでも同じにはなりません。時間そのものが味の一部だからです。プラクティスも同じです。今日しなかった一回は、明日二回しても取り戻せません。けれども一度すれば、その声が耳に戻り、次を変えていきます。二回目には、すでに一回目が入っているのです。

鏡の前に立たなければ、じぶんの姿は映らない|First Things First ⑤ 認知には法則がある

鏡の前に立てば姿が映る。そのしくみを知っただけで、「もう分かっている」と思うもの。しかし、いま鏡には何も映っていません。実際に立てば、はじめて姿が脳の中に生まれます。行為の前に、認知は存在しない。まだ見ていない自分を、知っていると思い込む落とし穴。だから、声に出し、演じ、比べてみる。見えたものしか、変えられません。

上達に迂回路はない|First Things First ⑥ プラクティスには法則がある

飛行機は、翼があるだけでは飛べません。前へ進み、空気の流れをつくって、初めて揚力が生まれます。学びも、同じです。やり方を知っているだけでは、まだ何も起きていません。声に出し、その声を受け取り、また声にする。出したものが入り、入ったものがまた出る。この再帰を、毎日くり返すこと。それだけが、上達を運ぶ、唯一の道なのです。 

他人の結果はまねられない。原因をまねよ。|First Things First ⑦ プラクティスには絶対原則がある

私たちは、結果ばかり見ます。でも、結果は変えられません。変えられるのは、原因だけです。他人のコツを聞いても、その人とあなたでは、持っている前提がちがうので、同じようには働きません。まねられるのは、結果ではなく、原因のほうです。だから、聞いて終わりにせず、じぶんの声にしてみる。それが、原因をまねる、たった一つの方法です。