
There’s no way around it.(迂回路はない)
飛行機は、なぜ空を飛べるのでしょうか。
翼があるからです。翼のまわりを空気が流れると、上と下に圧力の差が生まれ、機体を持ち上げる力が働きます。その力を、揚力 (life force) といいます。
けれども、翼があるだけでは、飛行機は飛びません。
滑走路に止まっている飛行機にも、翼はあります。それでも浮かばないのは、翼のまわりに、飛ぶための空気の流れが生まれていないからです。
飛行機は、まず前へ進みます。進むことで空気が流れ、流れによって揚力が生まれます。
翼は、飛ぶために必要です。けれども、翼を働かせるには、前に動かなければなりません。
法則を知っているだけでは、その法則は働きません。必要な状態が生まれて、初めて力が働きます。
学びも同じです。やり方を知れば、できるようになる。そう思ってしまうことがあります。
手本を見る。説明を読む。頭の中で理解する。けれども、分かることと、できることは違います。知ることと、動くことは違います。
原理が分かっていても、その状態が起きなければ、何も起きません。
Daily recursion is the law of progress.(毎日の再帰が、上達の法則)
学びは、一度の行為だけで終わりません。
やってみる。そこで起きたことを受け取る。受け取ったことをもとに、もう一度やってみる。その結果を、また確かめる。
出したものが、次の入力になります。入ったものが、また次の出力になります。
アウトプットをインプットにし、インプットをまたアウトプットにする。その循環を、再帰 (Recursion) と呼びます。そして、その再帰を毎日くり返すことが、Daily Recursionです。
飛行機は、空に浮かんでから前へ進むのではありません。前へ進み、空気の流れをつくることで、浮かび上がります。学びも同じです。
できるようになってから、プラクティスをするのではありません。プラクティスをすることで、再帰が起こり、学びが進みます。
必要なものを持っているだけでは、法則は働きません。動くことで循環が生まれ、その循環が、また次の行為を生み出します。
毎日の再帰が、上達を生み出す。それが、上達の法則です。
上達は、知ることからではなく、動くことから始まります。上達に、迂回路はないのです。
Trust your wings, not the branches.(じぶんの翼を信じて飛び立とう)
⚫︎ 他人の結果はまねられない。原因をまねよ。|First Things First ⑦ プラクティスには絶対原則がある へ続く(明日配信・シリーズ最終回)
作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど
「First Things First シリーズ」:
⚫︎ 歩ける前に走れない|First Things First ① ものごとには順序がある
⚫︎ 屋根から家は建てられない|First Things First ② ものごとには構造がある
⚫︎ タネをまかずに実はならない|First Things First ③ ものごとには因果がある
⚫︎ あとからダシは入れられない|First Things First ④ ものごとには不可逆がある
⚫︎ 鏡の前に立たなければ、じぶんの姿は映らない|First Things First ⑤ 認知には法則がある
⚫︎ 上達に迂回路はない|First Things First ⑥ プラクティスには法則がある
⚫︎ 他人の結果はまねられない。原因をまねよ。|First Things First ⑦ プラクティスには絶対原則がある
