身につける ④ 奥の窓もあけよう

昨日のエンパレット「身につける③見えないルール」では、ゴールデンルールばかりでなく、 シルバールールも大切という話をしました。

その先を考えてみます。挿絵の図を見てください。(注1)

縦軸(じぶん・相手)、横軸(する・しない)を組みあわせてできた4つの窓。

①の窓、②の窓だけではなく、その下に③の窓と④の窓があります。

③④に気がつかないのは、なぜでしょうか?

人に対してどうふるまうかを考えるあまり、じぶんのことを忘れているからです。
実は、人のことを先に考えているようでも、それはじぶん中心の発想なのです。

身につける ③ 見えないルール

Skin in the gameは、じぶんの身で感じること、親身になることです。

ナシム・タレブさんさんは、こう言います。

人間関係に大切なルールがふたつある。

① ゴールデンルール:じぶんがしてほしいと思うことを、人にもする

② シルバールール:じぶんが人にされたくないと思うことは、人にもしない

① を聞くと、なるほどと思いますが、落とし穴もあります。

積極的にオススメして、相手に通じればよいのですが、いつもそうだとは限らないからです。

身につける ② Skin in the game

Put skin in the game.(身をもってする)

エサをじぶんで探さないリスがいたとしたら?
それではとても、Skin in the gameではありませんね。
もちろん、そんなリスはどこにもいないでしょう。

自然界では、あたりまえのことなのですが、
人間の頭の中は、もっと複雑なようです。

でも、説明はいりませんね。
身をもってすることと、そうではないことのちがい。
じぶんのこととして、親身になってするのと、そうではないことのちがい。

明らかなはずなのに、その説明はむずかしいですね。
いったい、何が、どうちがうのでしょう?

身につける ① 真髄

身につける学びとは?

それは、プラクティスです。
プラクティスとは、身体を使った「実践、練習、習慣」。

本当に身につけるための、真髄とは?

それは、「痛み」です。
ケガや病気の痛みのことではありません。
じぶんでやってみて、失敗を受けとめることです。
「肌身で感じて」深くしっかり身につけられるのです。

たとえば、英語の学習。

いちばん大切なことは、「英語を話す人」になることです。
話せないからこそ、話す人になったつもりで、やってみることなのです。

身をもってすること。
そのものに、なりきること。

じぶんで選べる自由がある

じぶんの身に何かが降りかかった時。

どんなことばでじぶんに語るかで、受けとめ方が180度ちがってきます。

Not, ”why do things happen to me?”(何で、こんなことが起こるんだ!ではなく)

Well, things happen for me.(きっと、じぶんのために起きるんだ)

マルクス・アウレリウス『自省録』のことば。

「自分に起ったことを悪いことと考えさえしなければ、私はまだ何の損害も受けていない。そう考えない自由が、私にはあるのだ。」

じぶんの身に起きていることは、世間や常識がどう言うかではなく、じぶんで捉える(ことばにする)こと。
その可能性、その自由、そうする意味が、じぶんにある、というのです。
そのように言うことで、みずからを励ますことができます。

コップをあけよう② ゆとりとは?

You can’t control what you can’t measure.(測れないことは、コントロールできない)

トム・デマルコさんは、ソフトウェアの開発現場で、「Slack(ゆとり)の法則」を説きます。

しめきりをセットしてがんばるだけでは、逆効果ばかりで、よいものができない、ゆとりが不可欠だ、というのです。

じつは、日常生活の私たちの頭の中も、おなじようなことがあります。

じぶんの頭の中のことなら、よく考えてコントロールできそうです。

そう思いますよね。
ところが、なかなかそうはいきません。

頭の中とは、身のまわりで起きていることの反映ですね。
いろいろな感情が湧き上がってきます。
想像は、無数に発生してきます。

コップをあけよう① どうやって?

ひまがない!

なんでこんなに忙しいのだろう?

パーキンソンの法則と呼ばれる経験則(注1)があります。

「仕事の量は、完成までの時間を満たすまで膨張する。」

なるほど、そうなのか。
余裕がないのは、あるだけのじかんを埋め尽くしてしまっているから。

職場、学習、日常の生活。
次から次へと、いろいろなことが発生してくる。
別に仕事でもないような、細々としたことで。
時間は、いっぱいに埋まっている。

じつは、埋まっているのは、時間ではなく、あなたの頭の中です。

考えを発明する ③ そのつもりになるだけで

Invention is the mother of necessity.(発明は、必要の母)

のびた:発明ってさ、答えを探すんじゃなくて、問題を見つけるって言ったよね。
ドラえもん:うん。そのとおり。
の:でもさぁ、どうやって問題を見つけるの?
ド:想像したもので、それで解決できることかが問題だよ。
の:あ、だから、さかさまに考えるって言ったのか。
ド:先に、もしかしたら何かになりそうなことを想像するんだ。
の:それで?
ド:先に、それをつくってみるんだよ。
の:先につくるの?
ド:こんなものあったらいいなぁ、というだけだと、まだ問題の発見にならない。

考えを発明する ② 答えではなく、問題を見つける

発明?

じぶんとはあまり関係ないかも。

いえ、そんなことは、ありません。

発明とは、毎日の生活の中で「問題」を見つけることです。

発明する、という意味の英語inventは、「中に入ってくる」というラテン語から来ています。

のびた:ねぇ、ドラえもん、発明って何?
ドラえもん:今までになかったものをつくりだすことだよ。
の:役に立つものをつくることでしょ?
ド:うーん。そうとも言えない。
の:なんで?役に立たないものをつくるんじゃないんでしょ?
ド:うーん。そうともいえる。
の:え?どっちなの?
ド:すぐ役に立つことがわかっているものをつくるのは発明ではないよ。
の:じゃ、どんなものをつくるの?

考えを発明する① コンピュータという思想

サンフランシスコ湾が内陸にいりこんだ地帯は、シリコンバレーとも呼ばれます。

このあんず畑(写真)のむこうにコンピュータ歴史博物館があります。

そこに、バベッジの「自動計算機」が展示されています。(注1)

チャールズ・バベッジは、コンピュータの発明に心血を注いだ人です。

何でも「計算する」機械をつくりました。
ただ、生きている間にそれをつくることはできませんでした。
バベッジの発明を再現した機械が、いまそこに展示されているのです。