Empathemian『A little Sweden in Hanno』

えんということば。

・ものごとのつながりや関わり
・そのようになる、めぐりあわせ
・心のよりどころ

よく「不思議な縁」といいますね。
でも、じぶんの存在するこの世界で知っていることなんて微々たるものです。
私たちはほとんど何も知らないのに、縁ができることが不思議なことだと、決めつけているのかもしれません。
本当は、むしろ、縁ができなことのほうが不思議なのかもしれないのに。

それでもやっぱり、「縁は不思議」という気持ちにはなることがあります。

こどものころ、川の探検が日課でした。
「すぐ家の近くを流れる川の水が、地下トンネルを通って、遠くの湖に流れているんだ。ズイドウ(*)って言うんだ。」
兄から隧道のことを聞かされ、すぐに探検にでかけた日のことが思い出されます。
そこは、その後、中学の陸上の練習でまわりを走った、湖でした。

いまそこは、「ムーミン谷」です。
ふるさとにつくられたテーマパークが、ムーミンだったとは。

40年ぶりに訪れる機会がありました。
10年ほど暮らしていたスウェーデンの風景によく似ています。
静穏せいおん。空気がすみ、実に静かです。
かざりも、何もない、安心感。

ムーミンのふるさとといえば、フィンランド。
なのですが、『ムーミン』はスウェーデン語で書かれました。
作者のトーヴェ・ヤンソンさんの母語はスウェーデン語だったからです。

童話の「ムーミン」は、ムーミントロールと言います。
トロールとは、妖精のこと。
ムーミンは、小石や貝を集めることが大好きで、いつも不思議に目を輝かせています。

I don’t understand a thing.(何ひとつ、わからないよ。)

何にもわからないから、よいのですね。
知らないことは、よくないことではなくて、未知の可能性に満ちているということ。
縁が、そこにできるかもしれない、ということなのですから。


出典・出典:トーヴェ・ヤンソン『ムーミン谷の仲間たち』

* 隧道ずいどう

トーヴェ・ヤンソン