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アタラクシア。

ギリシャ語に「アタラクシア」ということばがあります。「平静な心」を持つことです。

哲学者エピクロスは、「心の平静」を人間の幸福とみて、そこに生きるための目標をおきました。
ところが、当時のギリシャ哲学において、それが「禁欲主義」に対して「快楽主義」という名前で呼ばれたために、大きな誤解を生むことになりました。
現代の日本語でも、このことばを耳にした人のほとんどは、快楽が「心の平静」という意味だとは思わないでしょう。

エピクロスは、言います。

「快楽とは、一部の人が誤解しているような、享楽のなかにある快楽のことではない。それは、身体に苦痛がなく、魂に動揺がないことである。」

肉体的にも、精神的にも、平静であることがいちばん大切である、ということですね。
それでは、アタラクシアは、どのようにして得られるものなのでしょうか?
何もしないでいれば、心の平静はやってくるのでしょうか?

エピクロスは、こう言います。

人生の至福のよろこび。それは、友を持つことである。

友をもつことが、アタラクシアの源泉。生きていることのよろこびを、わかちあえる相手がいる、ということなのです。

友をもつ、とは、じぶんから友になることです。じぶんから心をひらいて、語りかけること。共に楽しむこと。

エピクロスは生涯、健康に恵まれませんでした。
が、人間だけでなく、生きているもの、食べるもの、自然のすべてを、心の友として、生きました。
そのようにして生きることが、アタラクシアだったのです。

心の平静は、わかちあう心と共に。

「養生・やさしくなること」

「養生をまなぶ一歩」

出典・参照:『エピクロス』

「エピクロス」