Empathemian『Practice Mental Subtraction』

Try subtracting. Don’t always add.(引き算してごらんよ、いつも足し算ばかりでなく)

大切なことほど、忘れてしまうもの。
日常のものごとはすぐ慣れてしまい、あたりまえのように思ってしまうから。

慣れることも、忘れることも、自然なこと。
でも、思い出す機会がないままに過ごしていると、気づかなくなっていきます。
いわば、気づかないことがあたりまえになる「あたりまえフィルター」を身につけた状態。

時々、そのフィルターをはずしたいものです。
どうしたらよいでしょうか?

心の引き算がいります。

・あたりまえではないことに気づくために
・ありがたい気持ちを思い出すために
・あることを、思い出す、思いうかべるプラクティス

どんなふうにやるのでしょう?

文字どおり、心の中で引き算をします。
引き算をするように、差し引いて考えることです。

マイナス、つまり反対のことを思い浮かべること。
こんなふうにやってみましょう。

① 何かひとつ、よかったことを選んでください。
仕事でうまくいったことでも、ちょっとうれしいことでも、なんでもよいです。

② そのことの発端をふりかえってください。
そのことが起きた、いちばんはじめの出来事は何でしょうか?
きっかけになったことを思い浮かべます。

③ もしその出来事がなかったら?
別のことが起きていた、話はちがうことになっていた、と考えてみましょう。

・あの時、声をかけられなかったら、いまの状況はちがっていた、というふうに。

もしかしたら、それは:
ちょうどにわか雨が降りだして、気が変わったことだったのかも。
あるいは、電車にのりおくれたおかげだったのかも。
あるいは、だれかのひとことがきっかけになったのかも。

Empathemian『Practice Mental Subtraction』

キーワードは、 What if?(もし〜だったら?)です。
キーとは、ドアのとびらを開けるようなカギのこと。
  あたりまえフィルターをはずす時の「心のとびら」をあけるカギです。

このひとことを身につけるのです。
いつでも、できます。

What if it didn’t happen?(もし、起きなかったら?)

Things might have turned out differently.(話はちがっていたかもしれない)

このようなプラクティスを Mental subtraction (心の引き算)と呼びます。

いまあるものに対して、なかったとしたら?を想像すること。
いまないものに対して、あったとしたら?を想像すること。

せっかくうまくいっていることについて、わざわざなぜ、そうではなかったことを考えるのでしょうか?

その理由は、こうです。
よいことを「あたりまえのこととして受けとる」ことは簡単。
いえ、気づかぬうちに、そうしています。

一方で、その反対は、思っているよりずっとたいへんです。
あたりまえではない、と思えるためには、少しプラクティスがいります。

気づきが大切だといっても、一度もプラクティスしないことはできません。
感謝の心もおなじです。
ものごとに感謝する行為とは、別の言い方をすると、「それが起きなかったことを想像できること」です。

そのためには、じぶんにたずねる行為がいります。
声に出して、じぶんに聞こえるように言ってみることです。
感謝の気持ちも、具体的な「心の引き算」をしないと、確かめられないものなのです。

Ask yourself.(じぶんに聞いてごらん)

「おかげさまで」の力

さかさまに考えると気がつく

あたりまえフィルターをはずす

つみへらせ!

出典・参照:『毎プラガイド』、Greater Good in Action、英プラトレイル1 Ask Yourself

Greater Good in Action

Koo, M., Algoe, S. B., Wilson, T. D., & Gilbert, D. T. It’s a wonderful life: Mentally subtracting positive events improves people’s affective states, contrary to their affective forecasts. Journal of Personality and Social Psychology, 95(5)