Empathemian, Sunnyvale, California

画家・熊田千佳慕のことばから。

心の目、心の耳、心の口。

虫や花の美しさを愛することのできる目。
虫や花の言葉のわかる心の耳。
虫や花に自然に話しかける口。

ほぼ百年の生涯に、身の回りの自然を描き続けました。
このように聞くと、それはきっと、じぶんにはできない特別な才能だったのだろう、と思えますね。

でも、同時に、こうも思えます。

それは特別な目ではなく、特別な耳ではなく、特別な口でもないだろう、と。
特別な光、特別な音、特別な香りや振動があるのでもないだろう、と。

だれにでもある、ふつうの、いつもの、目と耳と口。
どこにでもある、ふつうの、光と音と香り。

江戸時代、自然哲学を説いた三浦梅園はこう語ります。

枯れ木に花咲くを驚くより、生木に花咲くを驚け。

生きている木に花が咲くことの不思議こそ。

「あたりまえ」というフィルターをそっと、とりはずせば、身のまわり、じぶんのふるまい、みな、不思議ばかり。

Don’t take it for granted. あたりまえ、ではない。

光も、水も、空気も、あたりまえではない。そう思えた瞬間に、すべてがかわります。


出典:熊田千佳慕『私は虫である』、三浦梅園『自然哲学論集』、『英プラ』 トレイル 1 (13) Take action.