Boy wearing a blue shirt and shorts running down a concrete spiral staircase outdoors among green trees.

上達に迂回路はない|First Things First ⑥ プラクティスには法則がある

飛行機は、翼があるだけでは飛べません。前へ進み、空気の流れをつくって、初めて揚力が生まれます。学びも、同じです。やり方を知っているだけでは、まだ何も起きていません。声に出し、その声を受け取り、また声にする。出したものが入り、入ったものがまた出る。この再帰を、毎日くり返すこと。それだけが、上達を運ぶ、唯一の道なのです。 

Daily recursion is the law of progress.(毎日の再帰が、上達の法則)

鏡の前に立たなければ、じぶんの姿は映らない|First Things First ⑤ 認知には法則がある

鏡の前に立てば姿が映る。そのしくみを知っただけで、「もう分かっている」と思うもの。しかし、いま鏡には何も映っていません。実際に立てば、はじめて姿が脳の中に生まれます。行為の前に、認知は存在しない。まだ見ていない自分を、知っていると思い込む落とし穴。だから、声に出し、演じ、比べてみる。見えたものしか、変えられません。

You can’t see yourself unless you stand in front of the mirror.(鏡の前に立たなければ、じぶんは映らない)

ダシはあとから入れられない|First Things First ④ ものごとには不可逆がある

とんこつラーメンは後からダシを入れてつくれません。骨を煮込んだ出汁は、あとから注いでも同じにはなりません。時間そのものが味の一部だからです。プラクティスも同じです。今日しなかった一回は、明日二回しても取り戻せません。けれども一度すれば、その声が耳に戻り、次を変えていきます。二回目には、すでに一回目が入っているのです。

If you don’t do it now, you can’t do it over. (今やらないことを、やり直すことはできない)

タネをまかずに実はならない|First Things First ③ ものごとには因果がある

タネをまかなければ花や実はなりません。人の成長も同じです。ねがいを声にした瞬間、思うこととつくることはひとつになります。その声をくり返すことが未来へ向かうプラクティスです。でも、タネだけでは実りません。土も、水も、光も、風も、虫も、支えてくれる人もいる。未来は、今日まいたタネと、それを育てるすべてのものから生まれます。

Life is becoming.(人生は、実になろうとする営み).

屋根から家は建てられない|First Things First ② ものごとには構造がある

人の絵を描く時、頭から描きますね?家なら、屋根から描くでしょう。絵の中では、完成した姿から自由に描けます。しかし、実際の家を屋根から建てることはできません。まず土台をつくり、柱を立て、その上に屋根を載せます。思い描く時は完成形から、現実につくる時は土台から。反対向きの二つのモードが組になり、ものごとは生み出されます。

一事が万事。(First things first)

歩ける前に走れない|First Things First ① ものごとには順序がある

歩ける前に走ることはできません。立つ前に歩けません。何事も順序があります。私たちは母の胎内にいる時から音を聞き、生まれた時には、まだ目も身体も十分には使えなくても、耳はすでに働いています。人生は「耳のことば」から始まります。声を聞き、リズムを身につけ、まねて、じぶんでも言えるようになる。その順序の中で、人は成長します。

You can’t run before you can walk.(歩ける前に走れない).

Side profile of a female tennis player with a highlighted brain diagram, focusing on the amygdala labeled in the head.

心の切り替えモード③|逃げるモードに入った瞬間に勝負に負ける

勝負は相手に負けるのではありません。Approach(向かう)からAvoidance(避ける)へ切り替わった瞬間に負けが始まります。Approachではドーパミン、Avoidanceではコルチゾールが優位に働き、この二つのモードは同時に成り立ちません。スキルだけではなく、それを発揮できる「状態」が勝負を決めるのです。

Get back to your practice. (いつものじぶんに戻れ)

Painting of an elderly woman resting in the foreground, with an airplane, clock, and wheelchair at a station behind her (impressionistic style).

母も時なり③|情感が心の世界

母の面会記から。辻褄があわないのではない。こちらが聞き取ろうとしていないだけ。じぶんの頭でわかろうとするから、わからない。じぶんにわかるような意味だけを聞こうとするから聞こえない。届いていないのはこちらの耳の方。声にする時、わきあがる情感。内側の世界が外側に溢れて出ている。あとから、ふりかえることで湧き上がる世界。

Presence is life.(情感は、いのち)

世界はじぶんの鏡|ありのままには見えない、聞こえない

世界がそこにあって、それをじぶんは見ている。ありのままに受け取って。そんなふうに思っていますよね。でも、実はそうでありません。じぶんの受け取り方、感じ方で見えるものが違いますそれ以前に、関わろうとしてなければ、見えません。じぶんの身体で感じことによってしか、見えないのです。じぶん自身が生きていること自体が世界の鏡です。

You do not see the world as it is. You see it as you are.(世界は、ありのままには見えない。じぶんとして映るのだ