身についたふるまいは美しい
「浜までは海女も蓑(みの)着る時雨かな」江戸時代の俳人・滝瓢水の一句。海に入る直前でも、雨には濡れないように、じぶんの身体をいたわる海女さんの姿に、一瞬ハッとして、じんわりと共感のまなざしを抱いた様子。蓑を着る海女さんのようでありたい。身についた、ていねいなふるまい。やさしく、遠くからみまもる時に生まれる共感の心。
What you see is how you feel.
エンパレットのカテゴリー Nurture 心を養う
「浜までは海女も蓑(みの)着る時雨かな」江戸時代の俳人・滝瓢水の一句。海に入る直前でも、雨には濡れないように、じぶんの身体をいたわる海女さんの姿に、一瞬ハッとして、じんわりと共感のまなざしを抱いた様子。蓑を着る海女さんのようでありたい。身についた、ていねいなふるまい。やさしく、遠くからみまもる時に生まれる共感の心。
What you see is how you feel.
ペルシャの詩人、ルーミーのことば「じぶん自身が水滴であり、大海である。海の一滴ではなく、一滴いっぱいの海である。」私たちはふだん「私の体、私の心、私の命、私の健康、私の幸福、私の人生」というふうに、何でもじぶんの「持ちもの」のように思うことに慣れすぎ、身心は自然の一部であり、大きな力を秘めていることを知らずにいます。
You are not a drop in the ocean. You are the entire ocean in a drop.(じぶんは海の一滴ではなく、一滴いっぱいの海である。
鷲田清一さんはこう言います。「ヒューマン (human) という語は、フムスhumusという、地面とか腐食土を意味するラテン語からきている。人間はこの地上の被造物であるから、ヒューマニティ と呼ばれる。よく似た単語に、ヒューミリティ (humility) がある。謙虚さという意味。これもhumusを語源としている。」
We are only human. (私たちは人間にすぎない)
100年前の蓄音器は、現代の学習のあり方を考えさせてくれます。知識は何でも調べられ、オンライン講義、豊富な動画があります。でも、足らないものがあります。ふりかえる体験、わかちあう体験。ことばはじぶんの身体を通してはじめて内面化します。声のあることばが血肉するのです。ことばが身につくとは、そのようにしてじぶんが変化すること。
You can only internalize anything when you practice it.(どんなことも、実際にすることで身につく)
『プラテーロとわたし』は、100年以上、世界中で親しまれてきた作品です。ストーリーの終わりにこんな場面があります。「ボール紙のプラテーロは、ますます、お前よりもお前に見えるんだ。」プラテーロの過去のイメージがどこかに存在していて、そのコピーが脳の中に現れるのではなく、ことばに出す現場にいつも、プラテーロは生きています。
ふだん無意識に使っている見方のフレームワークを変えるには?こんな実験をしてみましょう。目の前に、人さし指を上向きに出し、上からのぞくようなかんじで、左向きにくるくる回しながら、指を持ち上げていき、下から見上げると?いつの間にか、右向きになりますね。見る形式に従って、対象の認識が変化したのです。相手側に立つ、共感の力。
Use your empathy.(共感のチカラを使おう)
スイスイと泳ぐアメンボの気分。それを想像できるのは、人間に共感の力が備わっているから。私たちは「物事が先にあり、それがありのままに入ってきて、それを認識する」と思っていますが、実は話は逆なのです。体験と想像の働きによって、物事をみる形式を身につけているのです。「アメンボがスイスイとしている」のは、心という現象なのです。
I’m a water slider.(アメンボの気分)
The only way to have a friend is to be one.(友人を得る唯一の方法は、自らが友となること)エマーソンのことばは響きます。「すばらしい師、先生、コーチが欲しい。有望な弟子、教え子が欲しい。思いやりのあるパートナー、支援者が欲しい。」いえ、そうではなく、じぶんから友になることです。
The only way to have a friend is to be one.
論語は、倫理道徳を教える儒教の経典と言われますが、実は、人びとが共に、よりよく生きるためにどうしたらよいかを、孔子が弟子たちにやさしく説いた、具体的な行動の指針です。孔子は、知識以前に、恕(じょ)が最も大切である、と説きます。それは、相手の身になること、共感の心です。そして、じぶん自身をも思いやる心だと言うのです。
Empathy matters most.
人生の目的は幸福ではない。ラルフ・エマーソンは言います。「人の役に立ち、活かされること。人の敬愛に値し、すべての物事に、思いやり、慈しみ、共感の心をもてること。生きたという実感をもてることである。」幸福が人生の目的だと漠然と思い込んでいると、肝心な「行動」を忘れてしまい、「幸福の道」ができにくくなるのかもしれません。
Sense your way. (歩む実感を)