「だいじょうぶ」と「ありがとう」(知行合一のプラクティス)

絵本『ありがとう』で、むろふしきみこさんは、「人々の交流こそが生きる力の源」だと言います。ふだんのことばにこそ宿る力があります。相手を思い浮かべ、声のセリフを演じる時。じぶんもその声を心身で聞いています。「だいじょうぶだよ」と「ありがとう」は、身をもって知識と行動を身につける(知行合一)プラクティスの代表です。

If you don’t have the line of words, how can you act on it?(そのセリフを身につけていないのに、どうやってそれを演じることができる?)

みずからに語り、つづる。

ローマの哲人皇帝マルクス・アウレリウスは、静かにじぶん自身と対話をもち、自らに語りました。「じぶんの自然と、宇宙の自然とに従って、まっすぐな道を歩め。これらふたつの道はひとつのものだ。」内省とは自己分析ではなく「宇宙の自然、その法に一致して生きる」という希いを念じること。静かにすわり、大切なことばを声にすることです。

Follow your own nature and universal nature.(じぶんの自然と、宇宙の自然とに従って、まっすぐな道を歩め)

緑に包まれて

奥武蔵の小さな田舎に暮らしていると、ご近所の石仏さんはみんな友達のようなもの。あそこの弁才さんもこちらのお地蔵さんも、このさわやかなかじかの声に聴き惚れているだろうな、隣町のお不動さんの滝壺には水は落ちているだろうか、たまには行ってあげないと..などとなどと想像します。石仏のこころ。いのちの世界。いつも共に。

心の中に生きている (AI時代でも変わらない本質)

心の本質は、じぶんとじぶんではない存在(他者)との関係です。他者とは人間であれロボットであれ、じぶんとはちがう身体をもつ存在。私というじぶんと同様に、他のじぶんが共に生きているのです。心は人間の身体の内側にあるのではありません。私たちはみな共に心の世界に包まれているのです。AI時代も世界の本質は変わりません。

We are life.(存在が心)

マティスさんの葉っぱ [勇気がオリジナルをつくる]

創造とは、何もないところに、ひとつしかない、オリジナルなものを編み出すことです。トライをくりかえし、じぶんにたずねることです。「うまい、へた」のスキル以前に、やってみるフォーム(姿勢)。スキル以上に、ひとつを選びとるセンス。それは、じぶんとのつながりで世界をみる心です。オリジナルな何かをつくりだす力は、勇気です。

Creativity takes courage.(勇気がオリジナルをつくる)

Life is an adventure (1) [カロリーヌの冒険]

冒険とは未知にであうことでじぶんが変化する物語。知らないところではじめての体験をして帰ってきます。未知のものごとにふれることで、じぶんの心の世界が広がります。子供の頃、あんなに楽しかった冒険の絵本を、大人になると読まなくなるのはなぜでしょう?「なんともない」ことにじぶんを慣らしてしまったからです。冒険がないからです。

Inspire Wonder.(未知に心をひらいて)

ロケットだって、ひとりじゃない [気を楽に、身を軽く]

プラクティスはロケットに似ています。でも、ひとりで舞い上がりさっそうと宇宙をゆく姿のことだけではありません。ロケットは(1)ひとりでは飛び立てず(2)身体のほとんどは燃料(3)宇宙空間だから飛び続けられます。ロケットだってひとりではありません。手助けがあり、軌道にのれば飛んでゆけます。気を楽に身を軽くしてゆきましょう。

Being alone is not alone.(ひとりでも、ひとりじゃない)

Be alone to feel connected.(ひとりになるから、つながりがわかる)

見えないけれど、あるんだよ。

金子みすず『星とたんぽぽ』。昼のお星は目には見えぬけれど、空にあります。見えないものも、ちゃんとあります。じぶんが空気になって、昼の星を、感じて、見ている。じぶんが土になって、たんぽぽの根を、感じて、見ている。じぶんが「相手の身」になる思いをすることで、見えるのです。じぶんでじぶんの鏡になると、そこに写っているのです。

Inspire imagination.

共感:共に生きる(幸福な王子とツバメ)

オスカー・ワイルド作『幸福な王子』(The Happy Prince)。自己犠牲、無私の善行、心を通わせる友情の物語としてよく知られます。動けない王子の目となり、耳となり、手足となって働くツバメ。ふたりの行為は、共感。いのちを捧げて人助けをする道を共に歩んだのです。じぶんたちが存在することの意味を共に生きたのです。

Empathy is to act together.(共感とは共にふるまうこと)

実感を切り取れ!(カルペ・ディエムの真意)

ギリシャの詩人・ホラティウスの詩に「カルペ・ディエム 」(Carpe Diem) ということばがあります。後のことを考えるのは最小限にして、今日を摘め、という、明快なアドバイスです。カルペ・ディエムに不可欠なことは、静かにすわることです。一日のおわりに、ひと時の静寂をもつこと。その実感の切り取りがカルペ・ディエムです。

Practice Carpe Diem with Empatheme.