原理を身につける (2) 音は「 」い。

言語は声の身体運動。空気の物理現象。そして、脳の認知プロセスです。音声は、瞬間の出来事。発生と同時に刻々と消えます。逆に言うと、ことばとは、消えゆく瞬間にすくいとり、脳内で復元するプロセスです。ふだん意識することのない、聞くという行為は、1秒の間に音列を次々に処理できることなのです。セリフを復元し、再現できることです。

Champagne

見方を変える [シャンパンは、栓を抜くのではない]

ソムリエはシャンパンを開栓する時に音を立てません。左手で栓の部分を握って固定し、右手でボトルの底をゆっくり回します。すると発泡の勢いで栓は自然にスッと抜けます。栓は抜くものという固定観念。ものの見方を変えるヒントは身近なところにたくさんあります。見ているつもりでも実は見えていない、ということを思い出すことです。

Turn the other side.(反対側を回してみよ)

アメンボで想像のプラクティス①

スイスイと泳ぐアメンボの気分。それを想像できるのは、人間に共感の力が備わっているから。私たちは「物事が先にあり、それがありのままに入ってきて、それを認識する」と思っていますが、実は話は逆なのです。体験と想像の働きによって、物事をみる形式を身につけているのです。「アメンボがスイスイとしている」のは、心という現象なのです。

I’m a water slider.(アメンボの気分)

心の切り替えモード②(ファーレンハイトの効用)

こんな質問を頂きました。「ファーレンハイトは華氏、セルシウスは摂氏。人の名前だったとは!ところで、アメリカでは水が氷になる温度や、水が沸騰する温度も、ファーレンハイトで覚えているのですか?「水は0度で氷になり、100度で沸騰する」という基準は明快ですが、ファーレンハイトだとそのような基準を習わないのでしょうか?」

Practice to unlearn.(心の切り替えを練習)

耳順(耳したがう)とは?①(人のことばをじぶんの声にかえる)

孔子は60歳の還暦を「耳順」(耳したがう)と言いました。なるほど、素直に人の話を聞き入れられるというのは大変なことなんだな、と。でも、ちょっと変な気もします。聖人が60年の歳月をかけ、ようやく、耳がしたがうようになったというのです。それほどの時間がかかるもの?だれもがふだんから「聞き入れている」のではないでしょうか?

Internalize your speech seeds.(じぶんのことばとして内面化せよ)

心の切り替えモード(ファーレンハイトって?)

アメリカでは、気温がファーレンハイトで表示されます。気温は体験と結びついた肌の感覚なので、心の切り替えがいります。ものさしを変えること自体はむずかしくないのだけれど、無意識的にバリアをつくっています。そのつもりならない限り、切り替えはできません。ここに新しいことを学ぶヒント、習慣をつくるために不可欠な技の秘密があります。

Learn to switch.(切り替えを学ぶ)

はじまる前に、はじまっている。(姿勢が先にある)

脳神経学者ベンジャミン・リベットの実験によると、人が「何かをやろう」と思った0.5秒前に、すでに神経活動が始まっているといいます。実は、私たちの日常の会話でもおなじことが起きています。ことばは1秒ほどの単位で、気づかぬうちにふるまう身体動作。実は、聞こえる前に、もう聞いているのです。姿勢が先にあるからです。

Begin to begin.(姿勢がしむける)

小さな修養の原理 ③ (いちばんの力は?)

じぶんの声が最大の味方。いちばんの力です。声に出す時:① じぶんでそのことばを聞いている。② わずかの時間でくりかえせる。③ くりかえすことばが思い出しやすい。④ ことばにする行為自体が身につく。声を出す時間、2-3秒という小さな行為(マイクロアクション)だからこそ、たくさんくりかえせます。これが修養の基本原理です。

What goes out is what comes in.(出力が入力になる)

小さな修養の原理 ② (プラクティスだけが唯一の持ちもの)

気づかずにパターン化しているかどうか見分ける方法は?何かに行為を邪魔された時。ものがなくなったり、壊れた時。いつもどおりでなくなる瞬間のイライラ。ものごとは予定どおりにいかなくてはいけない、と考えるプラクティス。そんなつもりはなくても、頭の中で、そういうふうに考え、とっさにふるまうクセを身につけているわけです。

What I do is what I get.(じぶんのふるまいが、唯一の持ちもの)

小さな修養の原理① (95%は無意識のふるまい)

プラクティスとは、意識した「練習」だけではありません。それは全体のごく一部。気づかずにくりかえされている、じぶんの心身の動きです。プラクティスの95%は、無意識的。たとえば、ほんの数秒が待てず、いらいらすること、ありませんか?それは「いらいら感じる」プラクティスをしているのです。そう捉え直すことで見え方が変わります。

You are practicing judging something without knowing it.(知らないうちに、答えを決めるプラクティスをしている、じぶん)