Empathemian『I’m an entrepreneur』

An entrepreneur. That’s what I am. (この手でつかみとろうとする人。いつもそうありたい)

アントレプレナーということばがあります。
最近、よく使われるようになりました。
このことばの真意を掘り下げてみましょう。

のび太:ねぇ、ドラえもん、アントレプレナーってさ。
ドラえもん:のびちゃんも、アントレプレナー(entrepreneur)になりたいって?
の:あ、質問はさ、なんだかむずかしいことばだよね。
ド:ちょっと、言いづらいことばかもね。
の:起業する人のことなの?
ド:一般的にはそういう意味だけど。
の:事業を始める人とちがうの?
ド:アイディアをゼロから形にしていく人。
の:ゼロから?
ド:そう。元はフランス語の動詞。
の:動詞?何かをする、ってこと?
ド:大元は、ラテン語(entreprendre)。
の:どういう意味?
ド:entre(アントレ)は英語のinterと同じ。
の:あいだ?
ド:そう。いろんなものの中から。
の:preneur(プレナー)って?
ド:ラテン語のprendreから来たことば。手でつかむこと。
の:手でつかむって、いろんなものから選ぶの?
ド:そのとおり。手を伸ばしてつかむ。

Extend your hands. (手を伸ばせ)

の:何をつかむのだろう?
ド:何だと思う?
の:幸運かな?お金?
ド:幸運はその辺に転っていないよね。
の:それはそうだけど。
ド:お金も空から降ってこないね。
の:それもわかるよ。
ド:手を伸ばさないと、つかめない。
の:身近にあるってこと?
ド:そう。でも手を伸ばさないと気づけない。
の:気づくものなの?
ド:可能性だよ。
の:可能性?

Take a chance. (チャンスを手でつかめ)

の:手を伸ばして、可能性に気づく。
ド:そう。そういう動詞。
の:それを実践する人のことなんだね?
ド:手でつかむのはチャンス (Chance)。
の:チャンスって幸運のことじゃないの?
ド:ちがうよ。チャンスは可能性のこと。
の:いろんな可能性があるんでしょ?
ド:そうだよ。確率だよ。
の:選ぶってことなのか。
ド:そう。うまくいかない可能性もある。
の:リスクってこと?
ド:リスクも可能性として確率的に捉えるってことだから。
の:さっき、アイディアをゼロから形にする人だって言ったよね。
ド:うん。いろいろな可能性から選び取っていくことだよ。
の:可能性は目に見えないよね。
ド:だから手を伸ばす。
の:手を伸ばすって、具体的に言うと?
ド:実際にやってみることだよ。
の:どんな可能性があるのかがわかるの?
ド:じぶんでアイディアをつくればわかる。
の:何もないところから考えるんでしょ?
ド:何もない、っていってもヒントはいくらでもある。
の:あーそうか。ヒントに手で触れよって言っているのかな?
ド:じぶんから関わることさ。
の:ドラえもんはいつもそうしているの?
ド:そう。
の:じゃ、ドラえもんはアントレプレナーだね。
ド:のびちゃんも、なれるよ。
の:ホントに?
ド:なりたいと願っていれば、だけど。
の:よかったぁ!
ド:手をのばして、つかむんだよ。

Act as if you are. (そのつもりでふるまえ)

の:でもさ、アイディアがいるよね?
ド:もちろん。
の:どうやって、アイディアを思いつくの?
ド:のびちゃんも、ふだん、アイディア浮かんだりするでしょ?
の:たまにね。でも、いいアイディアはなかなか。
ド:どうして、じぶんで、いいとか悪いとか決めるのかな?
の:だってそうだよ。たいしたアイディアじゃないことぐらいわかるよ。
ド:アイディアっていうのは、たくさん出すことだよ。
の:そんなに思いつかないよー。
ド:そう決めつけないでいいんだよ。
の:そうなのかなぁ。
ド:たくさん出す中にいいアイディアも出てくる。
の:「どこでもドア」もそうやって思いついたの?
ド:そうだよ。
の:いつもいつも考えているの?
ド:そうだよ。1000個思いついたら、3つぐらいアイディアになるよ。
の:えー。じゃ、1000個思いつかないとダメじゃないか。
ド:脳の中では無数に想像があるはずだよ。
の:そうなの?
ド:「どこでもドアの発想法」みたいなものは、ないんだよ。
の:どういうこと?
ド:どこでもドアは、発想を続けた結果の、たまたまのひとつ。
の:だから?
ド:それはまねられないけど、発想する、という行為は、だれでもまねられるよ。
の:結果的にどこでもドアみたいなものも出てくるの?
ド:そうだよ。やらないと何も出てこないよ。
の:手を伸ばせっていうのは、そういうことなの?
ド:そのとおり。

の:そうか、昨日の「グローバル〇〇」の話でもおなじこと言ってたね?
ド:「先人の結果はまねられない。原因をまねよ」のことかな?
の:そうそう。
ド:ぼくは先人じゃないけど、発想の原因になるものはあると思うよ。
の:ドラえもんの生き様だね。
ド:ハハハ。そうとも言えるかも。
の:ドラえもんは、何でもよく聞いている。
ド:そうだね。
の:それに、よく見ている。
ド:うん。
の:それで、すぐ手を動かす。
ド:アイディアは空から降ってこないから。
の:どこから来るのかな?
ド:じぶんの中に湧いてくる。
の:湧いてくるの?
ド:芽が出て、葉っぱが出て、みたいに。
の:花が咲くのは、もっと後ってこと?
ド:実がなるのは、さらに後。
の:そうか、タネをまけってことなんだね。
ド:それそれ!
の:ドラえもんのふるまいに習えばいいんだね。
ド:あ、のびちゃん、できれば習うよりも、倣うならうのほうがいいかも。
の:倣うって、まねること?
ド:おんなじふうにやってみることから。

Seed your ideas in you. (じぶんの中にアイディアのタネをまけ)

の:じぶんでタネをまく。
ド:そうそう。
の:とは言うけど、どんなタネなんだろう?
ド:どんなタネだと思う?
の:アイディアのタネなんでしょ?
ド:そういうふうに思っているよね?
の:いけないの?
ド:そのフレーズだと囚われやすい。
の:何に囚われるの?
ド:「アイディアのタネ」をまく、という表現はあるけど、アイディアのタネってものがあるわけじゃない。
の:じゃ、何のタネ?アイディアになるタネでしょ?
ド:そう。だから、アイディアのタネっていうのはすでに結果。
の:想像した結果?
ド:アイディアだな、と気づくのは、それまでにいろんなタネをまいていたから。
の:そのタネに名前をつけると、アイディアのタネでしょ。
ド:だから誤解しやすいんだよ。話は逆。
の:そうか、ふだんからいろんな想像をしていることがタネになるって言いたいんだね?
ド:アイディアになる、元になること、つまり原因をつくるんだよ、じぶんで。
の:何か特別なことはしないでいいの?

Act as if you are. (そのつもりで生きよ)

ド:大切なことは、ひとつ。
の:ひとつだけ?たくさんあるのかと思った。
ド:そのつもりで生きることだよ。
の:そのつもりで生きるって?
ド:のびちゃんが、アントレプレナーになりたいとする。
の:うん、なれたらいいなぁ。
ド:だったら、いま、この瞬間からアントレプレナーになることだよ。
の:え?まだ、なってないよ。
ド:いま、そうならないと。
の:それ、無茶じゃない?将来、なるんでしょ?
ド:ちがうよ。未来はいつも今だよ。
の:いま、まだアントレプレナーじゃないのに、そのように思えってこと?
ド:そのようにふるまえ、ってこと。
の:ふるまうって?
ド:思いのタネをまくことも。考えのタネをまくことも。
の:練習を始めるってことなのかな?
ド:そういうことも含まれるけど。
の:なりたいじぶんを夢見ること?
ド:いや、夢を見るんじゃなくて、なりたいじぶんになりきることだよ。
の:じぶんになりきる?聞いたことないな。
ド:他に言いようがないよ。
の:なりきるっていうのは、ただ思い浮かべることじゃないんだよね。
ド:可能性に手を差し伸ばすこと。
の:さっきも聞いたけど。
ド:大事なことだから。別の言い方をすると、そうやってじぶんに言うことだよ。
の:じぶんに向かって声をかけるの?
ド:そうだよ。そうやって、もうアントレプレナーになってふるまうこと。じぶん自身にね。
の:どこでもドアをつくるぞーて言ったりするの?
ド:個別のものを決めることはできない。
の:でも、なんか具体的なことを言い聞かせるんでしょ、じぶんに。
ド:何を思いつくかわからないから、全部含めて言えばいい。
の:ドラえもんは、何て言うの?じぶんに。
ド:「何でも生み出せる人だよ、ぼくは。」
の:まだ何も生み出す前から、そうやって言っちゃうの?
ド:そうだよ。じゃないと意味がないよ。
の:なれないかもしれないのに?
ド:なりたいじぶんになりきることで、未来ができるんだよ。
の:声に出すんでしょ?
ド:じぶんに聞こえるように言うんだから。
の:そうしたらなれるのかな?
ド:確実に言えることがあるよ。
の:何?
ド:一度もことばにしないことは実現しない。
の:ことばにすると実現するの?
ド:ことばにしたことの中に実現するものがある。

Be the one you wish to be, now. (なりたいじぶんに、今、なりきること)

の:アントレプレナーってさ、ビジネスをする人じゃなくてもいいの?
ド:ビジネス、ってすでに決められた中で考える必要もないよ。
の:起業家っていうとさ、アイディアでビジネスを立ち上げる人でしょ。
ド:結果としてそうなるかもしれないし、他の可能性もあるかもしれない。
の:「手を伸ばしてチャンスをつかむ人」という意味なら、ほとんどのことに通じるね。
ド:そうだよ。生きていることは、アントレプレナーになることだよ、だれもが。
の:そんなふうに考えたことなかったよ。
ド:よかった。
の:今日からアントレプレナーだ!
ド:今日からと限定しないでもいいよ。
の:どうして?
ド:タネをまいていくとわかるよ。
の:どういうこと?
ド:これまで気がついていなかったじぶんに気づける。
の:どんなじぶん?
ド:もうすでにアントレプレナーだったじぶん。
の:過去にさかのぼれるの?
ド:すべてはのびちゃんの心の中にあるんだよ。

出典・参照:以下のエンパレットなど

グローバル〇〇(じぶんの心が関わり、つながること)

チャンスとバランス (4)

思いのタネをまく ④ 手入れをすると、タネが芽生える。

Fun to Imagine (3) 未来はチャンスとトライの組み合わせの妙