Festina Lente ③ [ゆっくりすることで、速くなる動き]

フェスティナ・レンテは、ゆっくりすることで、動きを速めること。ゆっくりにするとは、行為の全体を遅くすることではなく、ゆっくりする部分を全体の中に組み込むことです。全体の中の、大切な部分部分で間(ま)を入れることなのです。そのためには、小さな「ゆっくり」のマイクロアクションを具体的にプラクティスすることです。

Give it a moment.(一瞬、待て)

Festina Lente ② [ゆっくりすると無意識の力が引き出される]

ゆっくりするとは、無意識の力を活かすことです。まず、ゆっくりするのは、意識の力。速くするのは、無意識の力。はじめは、意識して、ゆっくりすることを心がける。くりかえし、毎日続けていくことで、ゆっくりにする、というフォーム(姿勢)そのものを、身につけるのです。無意識的に、いつでもその姿勢をつくれるようになることなのです。

Learn to slow down.(ゆっくりを身につける)

やわらかい頭って?(脳の可塑性を活かす)

やわらかい頭とは?「やわらかい」とは脳の神経細胞どうしが新しい「つながり」をつくること。ことばを発することで脳ニューロンが発火し、パターンがくりかえされることで、つながりができます。脳はもともと、やわらかいのです。脳が新しいつながりをつくればつくるほど、脳の可塑性(Neuro-Plasticity) は高まります。

Try new things.(新しいことをトライしよう)

ゼロ人称のじぶん(発話以前のわたし)

相手に話す以前のじぶんは何人称?相手に話しかけるから「私」と呼びます。つまり、「私」は「あなた」とセットの概念です。一人称の「私」以前の、じぶんがあります。思っているじぶん、考えているじぶん。じぶんに語りかけるじぶん。それはゼロ人称のじぶん。そのじぶんを包み、なぞり、確かめるように、声をかけて生きているのです。

Explore Self.(じぶん探索)

感情とは「感覚の意味づくり」のこと

感情とは、外部からの刺激に対する内部反応ではなく、外界に起きていることを身体で受け取った感覚の、<シミュレーション>によってつくられる、精神作用・心理現象です。声のことばのふるまいが、物事を捉える予想をつくり、その予想が身体調和を保ちます。ことばの細やかさは、受け取り方、感じ方を身につけるプラクティスになるのです。

Words seed your concepts.

宇宙のものさし [じぶんのものさしは?]

私たちは、秒速 600kmで宇宙を移動しています。地球は太陽系の一員。太陽は天の川銀河の一員。動かなくても、1日で5000万キロを旅しています。宇宙誕生時の光による「温もりマップ」。「宇宙のものさし」に照らし合わせると想像が膨らみます。ひとりでは気づけないけれど、ちがうものさしの存在を知るだけで気づけることがあります。

Change your scale.(ものさしを変えよ)

虹のイマジネーション [どこに何を見ている?]

虹(にじ)は、蛇の総称である「なじ」から来ています。昔の人は、色ではなく形から想像を広げました。虹はどこにありますか?実は、空のどこかのきまった場所にあの形をしたものがあるのではありません。空中全体にある無数の水滴のひとつひとつが出している光。それが集まって模様が見えるのです。虹は、光と空気とじぶん(想像)の現象です。

The sun, the rain, and you.(太陽と、雨と、じぶん)

メンタル?(鍛えられるのはプラクティスだけ。気は楽に)

サッカーのPK戦。ゴールまでの距離、ボールの速度、人間の運動の物理関係が「成功しない確率」30%を生みます。経験豊富なキッカーでもはずします。勝敗は1人分の差。キッカー選びと順番は大きな要因です。選手に何かできること?メンタル?いいえ、できるだけプラクティスすることです。それ以外に、それ以上に、できることはありません。

Nevertheless, all you need to do is practice.(それでも、できるのは備えることだけ)

セルフトーク(ポジティブ思考よりもじぶんに気づくこと)

内なることば(Self-Talk)を変えて、思考をネガティブからポジティブに。よく言われますが、それ以前に、またそれ以上に大切なことがあります。いきなり変えようとするのではなく、ネガティブなことばをつくっている状態に気づくことです。それは、ニュートラルでやさしいことばをかけること。じぶんに声をかけるだけで変わります。

You are not your thought.(じぶんは「自分の思考」ではない)

おなじ空気を吸っている (We live the same air)

「今日、世界中どこにいても、人が息をすると、その呼気の中に少なくとも1個のカエサル由来の分子が含まれている。」岩村秀さんによる、興味深い話。英語で「みな共に生きている」ことを、「みな同じ空気を吸っている」と表現します。本当に、おなじ空気のつぶをわけあっているのですね。時間も空間もこえて、空気で直接つながっています。

We all breathe the same air.