Empathemian『Sleep to learn, learn to sleep』

眠りはいのち。4回シリーズの2回目。

のびた:きょうは徹夜だぁ。
ドラえもん:どうしたの急に?
の:あー明日はテスト。
ド:じゃ、よく眠らないとね。
の:寝ている暇ないよ。
ド:なんで?
の:覚えなきゃ。寝ている暇なんかないよ。
ド:じゃ、なおさら、眠らないと。。
の:寝ている間に忘れちゃうよ。忘れないうちにテスト受けないと。
ド:のびちゃん、逆だよ。
の:え?何が?
ド:眠らないと、記憶されないんだよ。
の:そうなの?忘れちゃうよ。
ド:ちがうんだ。寝ている間に、記憶の場所を掃除して、それからちゃんと記憶するんだよ。
の:え、そうなの?忘れていいの?
ド:そう。いっぱいだと入らないでしょ。
の:眠っている間は、休んでいるんじゃないの?
ド:そうやってクリーンにしてくれるんだ。

マシュー・ウォーカーさんは、言います。

「眠りが記憶のスペースをつくる。海馬は長い指のような形をしていて、脳の奥深くに位置し、左脳と右脳で1つずつある。その役割は、新しい記憶を集めて一時的に保管しておくこと。新しく入ってきた情報を、小容量の保管庫(海馬) から、長期的な大容量の保管庫(皮質) に移動する。こうして 睡眠中に海馬の中がきれいに掃除されるので、起きたときにまた新しい情報をとり入れる」

Empathemian『Sleep clear your mind』

の:寝ている間に、記憶スペースをかたづけているんだね。
ド:そう。神経回路を更新して効率化しているんだよ。
の:深く眠っている時にやっているの?
ド:深い眠り、ノンレム睡眠で、いらなくなったニューロンのつながりをカットしている。
の:それで?
ド:新しい記憶を、短期の記憶場所から、長期の保管場所に届ける。
の:忘れちゃったことも思い出せるの?
ド:眠る前に覚えた記憶を残すだけではなく、覚えてすぐ、忘れてしまった記憶を掘り起こすんだよ。
の:眠ることでちゃんと覚えるんだね。
ド:そう。身体運動でプラクティスしたことを、脳が寝ているあいだにプラクティスするんだよ。
の:じゃ、運動もぐっすり眠るのがいいんだね。
ド:そのとおり。眠りは、脳のプラクティスだよ。

の:眠って、夢見ている間に、忘れちゃうんじゃないかと思ってたよ。
ド:ノンレム睡眠で情報を整理し、レム睡眠で情報を統合する。
の:レム睡眠って、夢をみている時?
ド:そう。夢も大事なプラクティスだよ。
の:いっぱい寝ればいいんでしょ?
ド:いや、ちょっとちがうんだ。
の:どういうこと?
ド:レム睡眠、夢のじかんは睡眠のいちばん最後に来るんだ。
の:明け方の夢は長いよね。
ド:そう。だから寝不足は、夢が不足する。
の:そうすると?
ド:記憶を自由に結びつける創作じかんがへっちゃう。
の:そうか、いいアイディアが浮かばないんだね。
ド:そう。眠りは学習のいのち。
の:なるほど。
ド:あ、のびちゃん、寝るだけじゃ身につかないよ。
の:わかってるよ。起きている間にしたことが、身につくんでしょ。
ド:そう。眠りで「記憶のタネ」を育てるみたいにね。

Sleep clears your mind.

Sleep calms your mind.

Sleep inspires your mind.

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出典・参照:Matthew Walker『Why we sleep』、James Hamlin 『If Our Bodies Could Talk』