Empathemian 『Hi Hazel』

Good dog! おりこうさんね。

あなたがそう言うとき、犬はどのように受けとめているでしょうか。

犬の脳科学を研究するアティラ・アンディックさんは、こう言います。

「人間の会話なら、何を言うかと、どのように言うかの両方が大事ですね。これは犬にも、あてはまるでしょうか?
こたえは、YESです。」

アンディックさんは、犬の脳も、人間とおなじように働いていることを突き止めました。声の調子を変えて「ほめことば」を犬に話しかける実験です。

・左脳の一部が、ことばそのものに反応している。
・右脳が、声の調子に反応している。
・両方があわさって脳内の「報酬センター」が動く。

ほめことばは、ほめる気持ちがいっしょになって、伝わるのです。
「顔の表情や体でふれあうことで、わかっている」だけでなく、犬は、ことばの意味をつかんでいる、のですね。

ペットと暮らしている人なら、やっぱりそうなんだ、と言うかもしれません。
あなたが気持ちを込めて言っているのか、口先だけなのかを、犬はちゃんと感じ取っているということを。

・人間とおなじように、声のふるまいとともに、相手に気持ちが伝わる。
・ことばの意味は、表現によって心が通いあう。
・本当にそう感じて、それを表現すると、それは相手の心にそのままうつる。

あらためて、このようなことを思いださせてくれる話ですね。

英語に congruenceということばがあります。
言っていることと、行っていることが一致していること。
congruenceは、「心とふるまい」の調和をあらわすことばです。

じぶんで話すことばの意味と表現が調和をしている時。
それは、どのようにしてわかるのでしょうか。
じぶん自身の「気持ち」といっても、わかっているようで、実はなかなか捉えがたいものです。

いちばん、かんたんで、確実な方法があります。
静かにすわり、ひとこと、じぶんに向けて言ってみること。
そして、その声をじぶんで聞いてみること。

じぶんで言ってみて、その声の調子とともに、聞いてみると、よくわかります。
じぶんを相手にしてみると、congruenceがその声にうつります。

声はじぶんの鏡。
Your voice reflects yourself.

エンパシームは、うつそうとしてうつすのではなく、しぜんにうつっている、じぶんの声の姿勢を表します。

出典:National Geographic 『Your Dog Knows Exactly What You’re Saying』(August. 30, 2016)