エンパレットのカテゴリー Nurture 心を養う

共感の精錬 (12) 付記 ① 水銀・人間の心・エンパグラフ

サイエンスの力、テクノロジーの力、アートの力、そして素のふるまいの力。これらは調和をもって合わせることができる。その思いをこの文章にこめた。「ひとつぶ」の共感を日常の中で身につける小さな素振りの力によって、何かがすこし違って見えたり、聞こえたり、感じられ たりする、未知の可能性を私は信じている。

共感の精錬 (9) 共感の力と本質的な問い

誰もがテクノロジー文明社会に身を置き「過剰・欠乏」という表裏一体の地平に立っている。どのようにして、想像と共感の力を呼び覚まし、引き出し、取り出して、確かめたらよいのか。身辺の過剰そのものを直接取り除けないのであれば、まず、欠乏しているものを増やすことだ。ひと呼吸の間におこる想像の中につくり、その数を増やすことである。

共感の精錬 (7) 光・空気・土・水と、隣人とともに生きている

アルマデン水銀鉱山の廃の引き金は、1972年出版『ライフ』の特集記事だった。ユージン·スミスは水俣の人々とともに暮らし、被害者家族との関係を築きながら共同体の内側をフォトエッセイ「Minamata」で描いた。「写真は小さな声に過ぎない。だが、一枚の写真が人の心に響き、遠い人々への理解や共感をもたらすこともある。

共感の精錬 (4) 見えないけれど、つながっている。

廃鉱の跡がなければ、この山の地面の下に、まさか90キロにもおよぶ人工のトンネルが 掘られていたことなど思いもよらない。地面の上に表れているものが手掛かりになり、その場で思いを巡らせる時に臨場感が生まれてくる。100年前も今も、この地球にある空気分子は変わっていない。私たちは時間は地面とそよ風でつながっているのだ。