ふれあう相手が先にある[心の連続がコミュニケーション]

コミュニケーションとは「思いを考えを伝えること、相手の言うことを理解すること」ではありません。脳内にことばの在庫のようなものがあり、それを選んで表現し、伝達するかのように思いがちです。が、実は、相手とじぶんが「つながる状況」できるからこそ、その都度、ことばがつながりをもって紡ぎ出されるのです。それがコミュニケーション。

The world is mindful.

原理を身につける (3) 〇〇〇のやりとり

ことばは相手とのやりとり。セリフを交わすことです。ひとりで考えている時も、脳内でセリフのやりとりを演じています。そのような意識はほとんどないでしょう。身についているからです。私たちはセリフごとに話します。Helloひと言でもひとつのセリフです。ひと息の発話で思いや考えのひとまとまりの音列で表現します。これは根源的です。

原理を身につける (2) 音は「 」い。

言語は声の身体運動。空気の物理現象。そして、脳の認知プロセスです。音声は、瞬間の出来事。発生と同時に刻々と消えます。逆に言うと、ことばとは、消えゆく瞬間にすくいとり、脳内で復元するプロセスです。ふだん意識することのない、聞くという行為は、1秒の間に音列を次々に処理できることなのです。セリフを復元し、再現できることです。

Champagne

見方を変える [シャンパンは、栓を抜くのではない]

ソムリエはシャンパンを開栓する時に音を立てません。左手で栓の部分を握って固定し、右手でボトルの底をゆっくり回します。すると発泡の勢いで栓は自然にスッと抜けます。栓は抜くものという固定観念。ものの見方を変えるヒントは身近なところにたくさんあります。見ているつもりでも実は見えていない、ということを思い出すことです。

Turn the other side.(反対側を回してみよ)

耳順(耳したがう)とは?①(人のことばをじぶんの声にかえる)

孔子は60歳の還暦を「耳順」(耳したがう)と言いました。なるほど、素直に人の話を聞き入れられるというのは大変なことなんだな、と。でも、ちょっと変な気もします。聖人が60年の歳月をかけ、ようやく、耳がしたがうようになったというのです。それほどの時間がかかるもの?だれもがふだんから「聞き入れている」のではないでしょうか?

Internalize your speech seeds.(じぶんのことばとして内面化せよ)

はじまる前に、はじまっている。(姿勢が先にある)

脳神経学者ベンジャミン・リベットの実験によると、人が「何かをやろう」と思った0.5秒前に、すでに神経活動が始まっているといいます。実は、私たちの日常の会話でもおなじことが起きています。ことばは1秒ほどの単位で、気づかぬうちにふるまう身体動作。実は、聞こえる前に、もう聞いているのです。姿勢が先にあるからです。

Begin to begin.(姿勢がしむける)

肉声が音とイメージを結びつける(オノマトペは皮膚感覚)

私たちの暮らしに最も密接なことば、オノマトペ。使わずに1日を過ごすのは至難です。日本語はオノマトペに満ちた言語。ものごころがつく頃にはオノマトペを使いこなしています。擬態語や擬音語と呼ばれますが、端的にいうと音で表した絵、絵になる音。それは身体感覚。音とイメージは表裏一体です。いいアイディアを紹介します。

Sound is image, image is sound, in your mind.(心の中、音は絵、絵は音)

さかさまに考えると気がつく

「逆問題」と呼ばれる問題の捉え方があります。物事を想像したり、調べて推測したりする時、順方向に考えるか、逆方向に考えるか。順方向とは、原因から結果、入力から出力を求めること。逆方向とは、結果から原因、出力から入力や入出力の関係を推定することです。実は、ものごとをさかさま方向に捉え直してみることで、気づくことがあります。

Try the other way.(反対むきにやってみよう)

心の地図を歩いている(3) [トレイルの楽しみ]

サン・アンドレアス大地溝帯の真上にある森林トレイルの路上に、ひらりと舞い降りた一匹の蝶!地図でじぶんが歩いたトレイルを指でなぞると記憶がよみがえります。英語のtrail は、大地に足跡ができるように、線をつなぐ、という動詞。トレイル空間にいるじぶん。身体内の脳にある「身体運動地図」。そこにじぶんの姿が写っています。

Imagine your trail.(じぶんのトレイルを思い描いて)

共に食べている [じぶんを見る目が変われば世界は変わる]

草食動物は草だけ食べてなぜあんなに大きくなるの?お腹にセルロースを分解する微生物が住んでいてタンパク質をつくりだすからです。お互い助けあい、共に生きているのです。ふだん私たちは、ものごとをバラバラに見ることに慣れています。じぶんとのつながりで見ると、見え方が変わります。じぶん自身を見る目が変われば世界は変わるのです。

Change the way you look at yourself. Then the world will change.