髪も共に生きている

いったん、気になりだすと、気になって仕方がないもの、たくさん、ありますね。

ずいぶん、伸びてきた。早く、かみを切りたいなあ!

突然伸びてくるわけではありませんが、ある長さの範囲を超えてから、気にさわるようになってきますね。

私の頭髪。自分の所有物、私の身体の一部、ということになっていますが、自分ではまったくコントロールできません。これから髪を伸ばすぞ、などと言ったりもしますが、それは自然に育つのを待つだけです。

自然に生えてきます。植物とおなじです。できることは、手入れをするだけです。見守って、ケアする、相手として。いつも、いっしょにいて、頭を守ってくれる。私にスタイルをつけてくれる友ー

心の路をひらく

梅田規子さんは、長年、ニューヨーク大学で音声研究の要職をおさめた後、心の研究に専念しました。

「音韻とか音節という言語単位が、それが現れる場によって、自由自在に変化する。私たちがどんなしゃべり方をしているかは、その現象が起こる場が決めている。私は、その変幻自在な変化を素直に受け入れて、何年もかけて、幾重にも重なり広がる大きな階層波を発見した。そして、その変化の動きこそが、私たち人間の命のエネルギーであるのみならず、生きとしいけるもの、そしてそれらを育む地球の自然が持つエネルギーだということを理解するようになった。

内語をふるまう

「考えをうまくことばで表現できない」などと言いますね。このように言うと、発話に先立って思考があるように聞こえます。
信原幸弘さんはこう言います。
考えるとは、発話すること。
内語を行うことが思考。

内語とは、声なき声で語られた発話、いわば音量ゼロ出力の、内なる発話 (Inner Speech) です。

電気のつぶが、身にしみる

杉晴夫さんは、こう言います。
「現代のわれわれの生活は電気によって支えられている。周囲には電気製品があふれ、空間には電波が飛び交っている。

「人類がこの電気を中心とした文明生活を打ち立てるきっかけは、イタリアのガルバ二が2種の金属線をつなぎ、カエルの身体に接触させると激しく収縮することを偶然に発見したことであった。同じく、イタリアのボルタは、この発見からヒントをえて、電池を発明し、電池から得られる安定した電流を使用した研究により、人類は自然界における電磁現象の存在に気づき、現象の背後にある法則を利用して現代の文明社会を築いていった。」

共感でじぶんが見える

ヘンリー・ソローのことばから。

It is as hard to see one’s self as to look backwards without turning around.
(振り返らずに後ろを見るのと同じくらい、自己を見ることはむずかしい)

デカルトに代表される近代、「私」は「私」によって定義されるようになったと言われます。現に「自分」とは、当たり前のもの、わかっている前提ですね。

サイエンスは人のこころ

グリネル大学長のレイナード・キングトンさんと。

レイナード:アメリカ中、どこの学長さんと会っても同じ話題になります。最大のチャレンジは「偏り」。どうしてもSTEM(*注)に偏りがち。
学生は卒業後の稼ぎに目がむく。それから、多様性(Diversity)。色々な背景、経済事情をもった、個性ある学生を含めて、ひとつの全体を構成するのが大きな課題。言うのは簡単だが、なかなか大変。

りっこう:そうですね。サイエンスはスキルだけではなく。サイエンスの心、つまり人間の心を養うことですね。

レ:そのためにはできるだけ、いろいろの学び、いろいろの学生、それらの体験がつながる必要がある。

おどろきに心をひらいて

木下清一郎は、「心の働きの原理」について、このように説きました。

「心の世界の基本原理は「自己回帰」とそれに由来する「抽象作用」である。心の体系がつくられるには、何よりも情報が流れ去ることなく、系のなかにとどまることが必要である。これが情報の自己回帰運動であり、それは記憶の働きとしてあらわれる。記憶に先立って照合のための想起があり、その結果をふたたび新しい記憶として記銘するという一連の循環の過程からなりたっている。つまり、情報の自己回帰。

自己回帰という閉じた回路をもつことは、情報が循環して自分自身に言及することを可能にし、それによって本来なら流れさるはずの情報をひとつの場に閉じ込めて、そこで統合を果たすきっかけをつくったといえる。これが、基本原理としての抽象である。

結びつけることば

アルバート・アインシュタインのことば、E=MC^2
宇宙のことば。数学のことば。もちろん、人間のことばです。人間がみる世界をあらわすことば。

数式に使われる等価記号「=」は、「イコール」と呼び、何かと何かを結びつける役割を果たします。このことばが、何を意味しているかといえば、「物質とエネルギー」は「光が進む速さ」の二乗に比例して「入れかえ」ができるということです。

と聞いて、「あー、科学の説明ね」とやりすごさずに、アイシュタイン博士の「声ことば」を受け取ってみましょう。物質は「もの」、エネルギーは「こと」だとして、それらは一見別々の、ちがうものだと思っていたふたつの物事が、実は入れ替え可能な「ひとつのおなじ物事」として結びつけられるよ、と語っているのです。

内語に親しむ

いつも使っているのに、気がついていないことばがあります。それは、「内語(うちご)」です。英語で Inner Speechと呼ばれます。声にして話すのではない、心の中で使っていることば。心当たりがあるでしょうか。

ノーバート・ウィリーさんは、こう言います。
「内語は、れっきとした言語だが、通常の言語とは異なっている。自分の身体的ふるまいと結びついた、対話的性質のある言語。実は、内語は1歳頃から始まっている。気がついていないだけで、自己の行動、大きな判断も内語によって導かれている。」

自然を活かす

テクノロジーって何だろう?
ブライアン・アーサーさんは、こう語ります。

「一般的には、テクノロジーとはサイエンスの応用、経済でつかわれる機械類と方法論の学問、工業プロセスに関して社会がもつ知識、 工学技術(エンジニアリング)の実践法といわれる。

私たちはテクノロジーについて多くを知っているが、同時にほとんど知らない。テクノロジーの全般的理解がないからである。個々のテクノロジーの方法と手順の特性、使っている機械についてはすべてを知っている。

しかし、内容について知っているのに、原理について知らないということは、珍しくはない。テクノロジーの理論、テクノロジーの「学」が存在しないのだ。科学はテクノロジーを使うだけではなく、テクノロジーからできている。」