内語をふるまう

「考えをうまくことばで表現できない」などと言いますね。このように言うと、発話に先立って思考があるように聞こえます。
信原幸弘さんはこう言います。
考えるとは、発話すること。
内語を行うことが思考。

内語とは、声なき声で語られた発話、いわば音量ゼロ出力の、内なる発話 (Inner Speech) です。

精神とは相互作用の連続

グレゴリー・ベイトソンはこう言います。

知と思考をつかさどる<マインド>というものに、思考する人間の外側にある自然界の大きな部分、数多くの部分が映し出されている。

動物的ーアニマルということばは、本来、こころーアニムスを授かった、という意味でした。

精神とは、相互作用する構成要素の集まりである。

世界は、結びあわせるパターンのことである。パターン同士が結びあって、パターン間のパターンができる。

道具と共に

の:ねぇ、ドラえもん、ひらめく道具ない?
ど:あ、ダニエル・デネットさんが「ひらめきのポンプ」という本を書いているよ。
の:本なの?
ど:そういう比喩で人間の感性・知性を高める「思考の道具」の話をしているよ。
の:ぼくもそのポンプほしいな。
ど:うん、そこで紹介されているのは:

人間は、素手だけでは大した大工仕事はできないし、脳みそだけでは大した思考はできない。

ボー・ダールボムさんのことばを引用して、デネットさんは言います。

ひらめいて、ゆっくりと、ひらめく。

ダニエル・カーネマンさんは、人間の思考の特徴を「速い・遅い」という比喩を使って説きました。
脳内の情報処理を二つに区別します。

システム1:速い思考。直感的に情報を処理。
システム2:遅い思考。意識的に情報を処理。

日常生活の大半は、無意識的に行なっています。意識せずに、物事を一瞬で把握するシステム1です。歩いたり食べたりするのに「考えない」。
気づいていないだけですが、無意識は、生まれてからこの方、学び、身につけてきた大切な力です。

一方、システム2。意識的に考えることによって物事を理解したり、判断したりします。こちらも、「人間らしさ」の特徴です。