Empathemian 『紅い葉』Menlo Park, California

ダニエル・カーネマンさんは、人間の思考の特徴を「速い・遅い」という比喩を使って説きました。 脳内の情報処理を二つに区別します。

システム1:速い思考。直感的に情報を処理。
システム2:遅い思考。意識的に情報を処理。

日常生活の大半は、無意識的に行なっています。意識せずに、物事を一瞬で把握するシステム1です。歩いたり食べたりするのに「考えない」。
気づいていないだけですが、無意識は、生まれてからこの方、学び、身につけてきた大切な力です。

一方、システム2。意識的に考えることによって物事を理解したり、判断したりします。こちらも、「人間らしさ」の特徴です。

ただし、疲れるとよく動かなくなります。人間の脳は、大量のエネルギーを必要とするので、節約したり、帳尻あわせをしていろんな「認知バイアス」を生み出します。

カーネマンさんは言います。
人間は限られた範囲で合理的である。

でも、授かった二つの力をどちらも活かしたいですね。直感的なひらめきと、ゆっくり考える力と。

短期的な目的にだけ目を向けて「とにかく、がんばらなければいけない」と考えることも、一見、合理的なように見えて、実は「限定的な合理」の色眼鏡で見ているだけなのかもしれませんね。

でも、当然ですよね。人間の力には限界がある、というだけ。Bounded rationality「限定合理」と呼ばれます。そのことを思い出せばいいのです。
もしかしたら、限定合理なのかも?

時々、そんなふうに言ってみると、ゆっくり、考えるきっかけになります。そのことばが、色眼鏡をはずしてくれるからです。そして、考えをゆっくりつづけていくと、自然に、「生きていることの意味に照らしてみたら?」という疑問に行き着きます。

ゆっくりと、ひらめく。

出典:ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』