Empathemian『Aspiration』

Aspiration is self-agency. (ねがいは、じぶんでする行為)

答えを教えてください。
私たちは、このことばを毎日のように使っています。

検索する。AIにたずねる。おすすめを探す。

いまや、あたりまえの風景かもしれません。
AIに書いてもらった文章を使う。AIに考えを整理してもらう。

便利な道具です。

問題は、道具を使うことではありません。
いつの間にか、「自分で考える前に答えを求める」ことが習慣になっていないか、ということです。

依存症とは、それなしでは済ませられなくなることです。

「正解を教えて」依存症とは、正解を教えてもらわないと、自分で動けなくなることです。

わからない。自信がない。気が済まない。
いつも外に正解を求めている自分に、気づかなくなることです。

⚫︎スマホがなかったら
⚫︎アプリがなかったら
⚫︎検索できなかったら
⚫︎AIに教えてもらえなかったら

あなたは、自分で道をひらけますか。

もちろん、多くの人は言うでしょう。なければないで、何とかやるしかない。

問題は、「教えてもらうこと」ではありません。
教えてもらうことに頼り続けている、その状態に気づかなくなることです。

⚪︎答えはいつも外にある
⚪︎AIが正解を持っている
⚪︎じぶんは、正解を持っていない

そんな感覚に慣れ切ってしまうことです。

⚪︎映画を見た後、すぐ解説を探す(見る前?)
⚪︎試合を見た後、すぐ評論を読む(見る前?)
⚪︎旅行に行く前、すぐおすすめを探す(行く前?)

ひとつひとつは、小さなことかもしれません。
でも、脳は、毎日くり返していることを学びます。

⚫︎使う働きは強くなる。
⚫︎使わない働きは弱くなる。

「教えて」と頼ることも、ひとつのプラクティスです。

毎日、答えを聞く。
毎日、自分では試さない。

それをくり返せば、脳と身体は、そのふるまいを身につけます。

⚪︎トライしない
⚪︎自分で確かめない
⚪︎まずやってみない

その練習を積んでいることになります。

Whatever you do every day is practice. (毎日していることは、すべてプラクティス)

くり返したことほど、うまくなります。

「自分では動かない」ことを練習した人は、いざという時に動けません。

それは、能力がないからではありません。
動かないというプラクティスを積んできたからです。

「できない人間になる」練習をしているのです。

そんなつもりはない、と思うかもしれません。
でも、脳は、意図ではなく、くり返されたふるまいを刻み込みます。

だから、問いかけてみてください。
あなたは、誰にも答えを聞かずにいられますか。

これが、いちばん大切な問いです。

「教えて」と言い続けることで、本当に困った時に、自分で動けない自分を準備してしまうことがあります。

「私の人生は、どうしたらよいでしょうか」

でも、この問いに、誰かが持っている正解はありません。
地球上には、約80億人の人がいます。

同じ答えの人生が、すべての人にあるはずはありません。
必要なのは、正解を受け取ることではありません。

⚫︎自分で試す
⚫︎自分で確かめる
⚫︎自分で選ぶ

その経験によってしか、じぶんは育ちません。

⚪︎じぶんでやらなくなる。
⚪︎じぶんで考えなくなる。
⚪︎じぶんでねがわなくなる。

それは、未知のじぶんに出会う機会を失うことです。

Be a doer.(する人になる)

特別にすごい人になれ、という意味ではありません。
何でも一人でやれ、ということでもありません。

助けを借りてよい。道具を使ってよい。

でも、最後に自分で確かめる人になる。
じぶんでできることを、じぶんでする。

その小さなプラクティスが、未知へ向かう力を育てます。

作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど

未知にじぶんを向ける力|Aspirationシリーズ(7回)

⚫︎じぶんこそ、最大の未知|Aspiration ①
⚫︎「正解を教えて」依存症Aspiration ②
⚫︎「やらなくても困らない」が、いちばんの壁 ③
⚫︎ 思いが、プラクティスを力に変える|Aspiration ④ 
⚫︎ 響いたことばを、じぶんの声にする|Aspiration ⑤
⚫︎ 夢は、後からできる|Aspiration ⑥
⚫︎ 未知へ向かう力が、じぶんを変える|Aspiration ⑦