Young man seated at a wooden table indoors, hand on his chest with a surprised expression, smartphone in front.
Empathemian『Aspiration』

Sow a seed.(声のタネをまく)

思いは、どうやって内側で育てるのか。
それは、響いたことばを、じぶんの声にすることです。

心に残ったことばはありますか。

誰かからかけられた一言や、ふと目にした一節が、その後も何度も思い出されるセリフ。
そのことばが、じぶんの中で響いたからです。

ところが、その時は強く響いたはずのことばでも、いつの間にか薄れていきます。

大切だと思ったことばでも、外から届いたけれど、受け取り切れていないからです。

なぜでしょうか。

そのことばが、まだじぶんの声になっていないのです。

私にも、いつも声にしていることばがあります。

A bird doesn’t sing because it has an answer. It sings because it has a song.(鳥が歌うのは、答えがあるからではありません。歌があるから、歌うのです。)

答えではなく、歌があるから。

人も同じです。
思いがあるから、声になります。そして、声にすることで、その思いはじぶん自身にも届きます。

心に響くことばは、最初の出会いです。でも、それだけでは、じぶんの力にはなりません。そのことばをじぶんの声にした時、初めてじぶんの中で働き始めます。

外から届いたことばを、じぶんの声にする。
じぶんの身体を通して発する。
その時、ことばは情報ではなく、じぶんの内側で育つ力になります。

声にするとは、思いを誰かに伝えることだけではありません。
じぶんの内側に、思いを届けることです。

じぶんから出た声が、じぶんの耳に届く。

その循環によって、まだ形になっていなかった思いが、じぶんの内側で根づき始めます。
そして、くりかえすたびに、じぶんのふるまいを変える力になります。

Empathemian『The only way to have a friend』

The only way to have a friend is to be one. (友を得る唯一の方法は、じぶんから相手の友になろうとすること)

このことばも、私がいつも声にしていることばです。

答えがあるから歌うのではなく、歌があるから歌う。
よい友が現れるのを待つのではなく、じぶんが友になる。

ちらも、成果や見返りを先に求めてするものではありません。

成果は、やってみた後に生まれるものです。
その行為そのものを、じぶんからする。

私にとって、この二つは、プラクティスの心得そのものです。

ここで流れている声も、私自身の声です。私は、響いたことばを、じぶんの声にして、何度も声にします。

そのことばを、じぶん自身に届けるためです。外から届いたことばが、じぶんの声になり、じぶんの内側で働きはじめる。

それが、プラクティスするということです。

Aspiration begins as breath and becomes root. (思いは息が根づいたもの)

作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど

未知にじぶんを向ける力|Aspirationシリーズ(7回)

⚫︎じぶんこそ、最大の未知|Aspiration ①
⚫︎「正解を教えて」依存症|Aspiration ②
⚫︎「やらなくても困らない」が、いちばんの壁|Aspiration ③
⚫︎ できそう、という予感|Aspiration ④
⚫︎ 響いたことばを、じぶんの声にする|Aspiration ⑤
⚫︎ 夢は、後からできる|Aspiration ⑥
⚫︎ 未知へ向かう力が、じぶんを変える|Aspiration ⑦