
Never break. Never give in. Never give up.(折れない、負けない、あきらめない)
だれもが一度は口にすることば。
だれもが、何度も聞かされていることばです。
折れない。
何が、折れないのでしょうか。
「心が折れる」とよく言います。
けれども、心はものではありません。
折れるはずのないものを、私たちはなぜ「折れる」と言うのでしょう。
負けない。
だれに、負けないのでしょうか。
だれとも戦っていないのに、「負けない心」と言います。
じぶんは、打ち負かす相手ではないはずです。
あきらめない。
では、どうすれば、あきらめずにいられるのでしょうか。
「あきらめるな」と言う一方で、
「いいかげん、あきらめろ」とも言います。
何を拠り所にすればよいのかは示されません。
最後に残るのは、「がんばれ」ということばだけです。
折れない。負けない。あきらめない。
どれも、そうなった結果を表すことばです。
けれども、私たちはその結果を先に掲げ、そこに向かってがんばろうとします。
本当は、順序が逆なのです。
Practice returning.(戻ることをプラクティスする)
レジリエンス(Resilience)ということばがあります。
もともとは、外から力を受けて形を変えても、元の状態へ戻る性質を表すことばです。
大切なのは、へこまないことではありません。
へこんでも、戻れることです。
揺れないことではありません。
揺れても、戻れることです。
「折れない」ことではありません。
折れそうになっても、戻れることです。
「負けない」ことではありません。
負けたあとに、また戻れることです。
「あきらめない」ことではありません。
あきらめそうになったときに、もう一度戻れることです。
レジリエンスとは、一度も崩れない強さではありません。
崩れたところから、ふだんのじぶんへ戻る力です。
First Things Firstシリーズでは、同じことを別の角度から見てきました。
他者の結果はまねられない。まねられるのは、その結果を生んだ原因だけです。
「折れない・負けない・あきらめない」も、まねることのできない結果です。
まねることができるのは、戻るために何をしているか。
どんなことばを声に出し、どんなふるまいをくり返しているかです。
レジリエンスは、「折れない」ことではありません。「戻れる」ことです。
だから育てるべきなのは、「強さ」ではなく、「戻るプラクティス」なのです。
作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど
(*注)レジリエンス(Resilience)を表すことば:
抵抗力(Resistance)・耐久力(Endurance)・持続力(Persistence)・
再起力(Bounce back)・回復力(Recovery)・復元力(Restoration)・
柔軟性(Flexibility)・克服(Overcoming)・頑健性(Robustness)・
適応(Adaptability)・粘り強さ(Tenacity)・弾性(Elasticity)・
しなやかさ(Suppleness)・不屈 (Indomitability)
「レジリエンス」シリーズ:
⚫︎ 「折れない・負けない・あきらめない」とは?|レジリエンス ①
⚫︎ 「メンタルが弱いか、弱いか」ではない|レジリエンス ②
⚫︎ 勝者は、敗者の自覚から|レジリアンス ③
⚫︎ いつものじぶんをつくる|レジリエンス ④
⚫︎ 心の免疫力をつくる|レジリエンス ⑤
⚫︎ いのちある限り、回復できる|レジリエンス ⑥
⚫︎ 心をしなやかにする手入れ|レジリエンス ⑦
