修養のイノベーション (1) エンパシームでひらく路

私は、スマホ登場以前より携帯、スマートフォン の開発に関わりました。全世界にむけ、XPERIA シリーズを含む 200 機種、5 億台の商品、技術 開発を指揮、事業・経営の責任者をつとめました。
 

そこで、テクノロジーと人間の間に、ある溝が広 がり、人間の心の中にも溝をつくっていることに気づきました。その溝は、技術のあり方だけでなく、人間に備わった本来の力を引き出す総合的な方法なしには、克服できないことを痛感したのです。

 

2012 年、米国シリコンバレーに SomniQ, Inc を設立して以来、従来とは異なる総合的なアプロー チを独自の研究開発によって模索してきました。そ れが、人間と機械が共に働き、自然な流れで「間」をつくることで、ふだんは気づいていない人間の力を引き出す方法「エンパシームメソッド」です。

作法を共にする道具

ママ:のびちゃん!いつまでスマホやってるの!
のびた:スマホじゃないよ、チャットしてるんだ。
マ:いいかげんに宿題やりなさーい。
ドラえもん:みんながやってるんだから。やめろって言ってもムリ。
マ:ドラえもん!なんとかしてちょーだい。
ど:のびちゃん、大切なことをする時間がなくなっちゃうよ。あ、ほかに大切なことないのか。
の:だったら、「しない」スイッチってないの?
ど:のびちゃん自身の「心が変わらないかぎり。。
  じゃあ、「じぶんを手入れする」スイッチ。

エンパシームへの路(2)

声のことばが、希いになる
実は、私には長い間、じぶんでも気づいていなかった「希い」がありました。

20歳の時、父が病気で不随になり、声を発することができなくなりました。私は無力感に苛まれながらも、父が他界するまでの5年間、「ひらがな文字盤」を使い、手と息とまなざしで、ふれあうことを学びました。これが「エンパシーム」の原点です。

そのことに気づいたのは、10年前に、姉が急逝したことです。開発した新しいスマホを世に出す間に、いちばん身近で大切な人が、突然、消えてしまいました。
当時私は、ネットスマホ社会の「希いの場」という意味あいをこめ、スマホを生み出す土台、その商品シリーズに「エクスペリア」と名づけました。世界を奔走する日々を送りながら、エクスペリアの思いとは裏腹に、私は何ひとつ、姉の助けになることができませんでした。その喪失感と挫折感に苦しんだことで、私ははじめて「存在のありがたさ」に気づきました。