共感のまなざしがじぶんをつくる

澄み渡った秋の夜空にくっきりと浮かぶ月を見上げて、谷川健一先生を思い出す。

多くを生きるとは、多くを感じること。

それは宇宙に脈動し遍満する生命のリズムを感受すること。

これまで私は、谷川先生のことばに勇気づけられ、「独りで学ぶ」ことを学んできた。

心がひらかれていれば、何とでも、つながれる。

共感のまなざしと姿勢が、じぶん自身をつくる。

じぶん民俗学

谷川健一さんは、こう語りました。
「民俗学は魂の学問です。神と人間と動物の交渉の場です。人間と神、人間と人間、人間と自然の生き物、この三者の間の三者間の強い親和力が、民俗を生んだのです。

民俗学は民間伝承を取り上げて研究していきますが、それは口承の形が多い。文字記録や、遺跡・遺物がないところで、日本の過去・歴史、あるいはその民衆の生活史を探ろうとする時には伝承に頼る以外にはありません。そこに民俗学の置かれた立場があります。

伝承の特徴は、時代あるいは時間を超越しているというところにあります。歴史学や考古学は始原から始まる時間です。しかし、人間の記憶というものはだんだんと遡っていき、最後にその始原に到達する民俗学は現代から遡行するというが特徴。そこに民間伝承を重視する民俗学の特徴があります。