夢と共感 [明恵上人]

「隈もなく 澄める心の 輝けば 我が光とや 月思ふらむ」 月と夢の歌人、明恵上人。隅もないほどに澄んだ心を月が見て、じぶんの光だと思うかもしれない。明恵上人自身が月になり、世界を見ています。宇宙に包まれ、私たちはいつも共に感じる「相手」と暮らしています。想像こそ。夢は、想像の宝庫。物事を結びつけて発想を生み出す場です。

Dream is imagination.(夢は想像)

包む世界全体が魂 (エマーソンの詩より)

The whole is the soul.

ラルフ・エマーソンの詩から。太陽、月、動物、木々というように、われらはものごとをひとつひとつをわけてみるけれど、そのひとつひとつが輝く部分となる全体こそ、われらの魂である。The whole is the soul.リチャード・ファイマン「共感する原子」とあわせて味わいましょう。

宇宙のものさし [じぶんのものさしは?]

私たちは、秒速 600kmで宇宙を移動しています。地球は太陽系の一員。太陽は天の川銀河の一員。動かなくても、1日で5000万キロを旅しています。宇宙誕生時の光による「温もりマップ」。「宇宙のものさし」に照らし合わせると想像が膨らみます。ひとりでは気づけないけれど、ちがうものさしの存在を知るだけで気づけることがあります。

Change your scale.(ものさしを変えよ)

相手の星になる

上田閑照さんは、こう言います。「見上げている星からこっちをみたらどうだろうか。逆の方から見るという見方の逆転を通してはじめて無限性にふれることができる。自分を出発にして考えるという考え方がどこかで翻らないと、無限性に触れることはできない。そして、無限性にふれてはじめて何かを手放すことができるようになるのだろう。」

放てば手に満てり

誰もが難解だとする正法眼蔵。多くの解説書もあり、意味を知ることはできますが、それでは実感がわきません。実感は、じぶん発(原因)でも、じぶん着(目的)でもなく、そのわけへだてを放って、共感の心から物事に関わる気持ちになって、はじめて湧いてくるものです。正法眼蔵とは、「共感の世界」の中に生きている、それに気づくことなのです。

Let it go.

共感のまなざしがじぶんをつくる

谷川健一先生の著作には、実証的な方法の上に想像力を働かせれば、目の前の世界とつながることができるという秘密が惜しげもなく語られている。じぶんという人間が、大地の母とも、いのちの宇宙とも、確実につながっている。共感のまなざしで、世界とふれあう、かかわりあうことができるのだ。わけへだてなく、じぶんで、まなぶ力の源泉。

With empathy, you can learn by yourself.