Empathemian『Meanの心』

What do you mean?(ハッキリ言って)

meanという動詞があります。
辞書には「意味する」とあります。

が、どうも日本語にしっくりこないことが多いです。

まず、例をあげてみましょう。

1. What do you mean?(どういうこと?)
2. What does it mean?(これはどういうことでしょうね?)
3. That means..(ということは)
4. It means..(どういうことかといえば)
5. I mean…(ていうか)
6. I didn’t mean it.(そんなつもりじゃなかった)
7. I mean it.(マジだよ)
8. I know what you mean.(わかるよ)
9. You know what I mean?(わかるでしょ)
10. It that what you mean?(そういうことなの?)
11. You mean so much to me.(あなたがいてくれるから)
12. What’s that supposed to mean?(はっきり言えよ)
13. That’s what it means.(そういうわけよ)
14. It means what it means.(どうしようもないね)
15. Means what?(というと?)
16. I mean what I said.(本心だよ)
17. I said what I mean.(はっきりいったんだ)
18. what it means to be..(そういう話)
19. That’s what it’s meant to be.(つまるところ、それ)
20. You don’t mean it, do you? (本気じゃないでしょ)

「意味する」という意味で使えるセリフもありますが、なじみません。

結論を先取りしましょう。
meanという動詞の原義は、こうです。

say(心の外に言う)
mean(心の中で言う)

say は、声に出して言うこと。
口にする、発言すること。

これに対して、mean は、口に出さず、心の中で言うことです。

What do you mean?
(何が言いたいの?)
(まだ声に出して言っていないけれど、心の中で何か言っているんでしょ)

I mean it.
マジだよ。本当だよ。
(口にはだしていないが、そういうつもりがある)

You know what I mean?
わかるでしょ?
(声に出して言っていないけれど、気持ち、わかるでしょ)

I know what you mean.
わかるよ。
(口には出していないけど、察するよ)

You mean so much.
あなたのおかげです。
君がいてくれるからこそ。
(あなたという存在がものを言う)

He means what he says.
それは彼の真意だ。
本心から言っている。
彼の思いはうそじゃない。
(口に出して言うことを、心の中でも言っている)

He says what he means.
彼はことばに衣着せない。
オブラートに包まない。
ストレートに言っている。
(心の中で言っていることを、口に出して言っている)

このように捉えることで、わかりやすくなります。
「意味する」をその都度、意訳するのではなく、「心の中で言う」というイメージをもつことです。

You’ll get that when you compare two things.(比べるとわかるよ)

ことばは文化。
捉え方の感覚、ものごとの抽象の仕方、分け方が違います。

外国語と母語を比べると、おなじもの、似ているものもあれば、ちがうものもあります。
そういったパターンをスキーマと呼びます。

英語のセンス、日本語のセンス、つまり、切り分け方。

センスは、心です。

もうすこし、例をあげてみます。
よく使われるセリフにこういうのもあります。

ドラマの会話などで頻出します。
ひと悶着あるシーン。口喧嘩のはじまりの場面を想像してください。

What’s that supposed to mean?
それ、どういうこと?
何が言いたいの?
どういうつもり? (口は出していないけれど、心の中で思っていることがあるだろ?)

字幕だったら、こんなかんじで。
「はっきり言いなさいよ。
何のつもり?

逆に考えてみましょう。
日本語の「はっきり言えよ」を英語に訳してください、といったら?

Say it clearly.
Speak out loud.

こんな文が思い浮かぶかもしれません。
が、はっきり言えよ、いい加減にしろよ、といったニュアンスだとすると、
歯切れよく、大きな声で言え、という話とはちがいますね。

このように原義をひとつ捉えると、meanという動詞のもつ性質が明らかになります。
英語の心(捉え方)です。

肝心なことは、物事の捉え方の、どこに区分線があるのか?ということですが、
心の中で言う、といった説明を書いた辞書は(まだ)ないようです。

英語でmeanを引くと、have in mind as a purpose もはじめのほうにでてきます。
心の中で意図を持つこと。
それが「言外に意味する」ということにつながるわけです。

読み書きの時も、応用が聞きます。
また、英語的なパターンを知ることで、察しがつきやすくなります。

センス(心)、スキーマと言いました。
ことばの意味は「くらべるもの」ないとわかりません。

What do you mean?と比べみましょう。

What do you say?
どう思います?
あなたのお考えは?
あなたならどう答えます?
考えを聞かせてもらえる?
つまり、言ってくれ、と促しています。

外国語を学ぶことの最大のメリットは、ふだんつかうことばを深く身につけるチャンスができることです。
外国語を使えるようになることもメリットといっしょに。

出典・参照:英語トレイル、以下のエンパレットなど

Seed Pattern Practice(Mean)

(英語の特徴が際立っている動詞のひとつmeanのカードは内容が凝縮しています)

You’re good. しなくて大丈夫。(ことばの本質は心)

Pleaseは「してください」ではない(ことばの源は心づかい)

See youは「バイバイ」ではない(ことばの源は心づかい)

I’m sorryは「すみません」ではない(共感のことば)

なぜ、Good morningと言うのか?

センスを身につける [実はいちばんはじめに大切なこと]