愛語を思い出す

愛語あいごよく廻天かいてんのちからあることを学すべきなり

愛語とは、やさしいことばをかけることです。親しみの心を抱くような心のこもったことば、愛語には、天地をひっくり返す力があるというのです。

道元禅師『正法眼蔵』45巻の中の「菩提薩埵四摂法」(ぼだいさったしっしょうほう)の巻。そこに、菩薩行(ぼさつぎょう)すなわち「悟りのための」修行のエッセンスがあります。それは四つの行いです。

布施ふせ。見返りなく、あたえること。

愛語あいご。やさしいことばをかけること。

利行りぎょう。人のために自分を忘れて尽くすこと。

同事どうじ。わけへだてをしないこと。

「に」は、表れる。

市川浩さんは、こう言いました。
「相手がにっこりすると思わず私もにっこりします。これは相手がほほ笑んでいるから、こちらもほほ笑みかえさなければ礼儀上悪いと思ってにっこりするわけではありません。
相手のほほ笑みをみると、こっちも思わずほほ笑んでしまう。
他者の身体というのは、表情をもった身体であり、私の身体もまた気づかぬうちに表情や身振りでこれに応えています。
これがいわゆるノン・ヴァーバル・コミュニケーションですが、もしこうした間身体的な場の共有がなければ、言葉のうえでは話が通じても、心が通わないでしょう。(*注)