
愛語とは、やさしいことばをかけることです。親しみの心を抱くような心のこもったことば、愛語には、天地をひっくり返す力があるというのです。
道元禅師『正法眼蔵』45巻の中の「菩提薩埵四摂法」(ぼだいさったしっしょうほう)の巻。そこに、菩薩行(ぼさつぎょう)すなわち「悟りのための」修行のエッセンスがあります。それは四つの行いです。
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現代人の私たちに菩薩の修行のエッセンスなんて無関係?
いいえ、私たちほど、このエッセンスに意味があります。それは、心の安らぎをうる方法だからです。
私たちにいますぐできるものは、4つのうち、どれでしょうか?それが、愛語です。
まず、ひとからかけてもらった「やさしいことば」を思い出すことです。じぶんが受けた、親しみのあることばをふりかえること。
これまでにいただいた愛語のすべてが、こんどはじぶんが人にかける愛語になります。
そのことばを、声にして発することです。相手に、わけへだてはいりません。
花にも、木にも、土にも、石にも、ひとにも、声をかけることです。
愛語を思い出そう。(Be kind.)
元気でね。(Take care.)
ありがとう。(Thank you.)
その気持ちになって声にすると、ふだんの平易なことばに、驚くほどの力が感じられます。
出典:大和和尚「ニコニコサロン法話」、酒井大岳『正法眼蔵の愛語に学ぶ』、坂口立考『毎プラガイド』