サイエンスも心の学び

グリネル大学長のレイナード・キングトンさんと。

レイナード:アメリカ中、どこの学長さんと会っても同じ話題になります。最大のチャレンジは「偏り」。どうしてもSTEM(*注)に偏りがち。
学生は卒業後の稼ぎに目がむく。それから、多様性(Diversity)。色々な背景、経済事情をもった、個性ある学生を含めて、ひとつの全体を構成するのが大きな課題。言うのは簡単だが、なかなか大変。

りっこう:そうですね。サイエンスはスキルだけではなく。サイエンスの心、つまり人間の心を養うことですね。

レ:そのためにはできるだけ、いろいろの学び、いろいろの学生、それらの体験がつながる必要がある。

じぶんへのサイエンスこそ

かつて、中谷宇吉郎は、こう言いました。
「科学とは、再現可能な現象を自然から抜き出して、それを統計的に究明していくこと。まず、観察によって、ある現象やものの性質をよくみること(定性的研究)。測るべきある性質がきまった場合に、測定によってそれを数で表す。数で表されたら、それに数学をつかって知識を整理統合していく(定量的研究)。

科学の本質は、人間(の科学的思考)と自然の協同作品である。

電気というひとつの題目だけをみても、考え方が始終変化している。電気があるとは「空間がゆがむことなのか」、「電子というごく小さい玉が空間を走ったり振動したりしていること」なのか。玉の性質もあれば波の性質もあるようなひとつの数式自身が電子だということになったが、マイケル・ファラデー以前も以後も、電気現象自身は何も変わっていない。