養生・やさしくなること

養生(ようじょう)ということばがあります。

辞書を引くと、病気の回復、健康の増進といった説明が出てきます。ただ、これだけだと、ことばの本来の意味がつかみにくいようです。

養生は、治療や栄養の補給のことではありません。
結果的に、病気の回復にも健康増進にもつながる、ちがう思想です。

江戸時代の本草学者・貝原益軒は、『養生訓』でこう記します。

静かに待つ。共にある。

なだらかな山野辺の道。春のトレイルは爽快だ。
道の端でひと休みする私のすぐ近く、目の前の花に、一羽の蝶がひらりと舞い降りた。
ゆっくりと羽合わせとしている。そよ風がふいて、なんとも気分よさそうに、坐っている。

共感素『ゐ』。
『ゐ』ー 共にいる。静かに、坐って、待つこと。

この雰囲気、この光景。私は、佐々木昆(こん)先生のことを思いだした。みずからを昆と呼んで、虫や花、「小さないのち」を探求した。