Empathemian, Sierra Azul Open Preserve, California

なだらかな山野辺の道。春のトレイルは爽快だ。

道の端でひと休みする私のすぐ近く、目の前の花に、一羽の蝶がひらりと舞い降りた。
ゆっくりと羽をととのえている。
そよ風がふいて、なんとも気分よさそうに、坐っている。

エンパシーム 『ゐ』だ!

『ゐ』 ー 共にいる。静かに、坐って、待つこと。

この雰囲気、この光景。私は、佐々木昆(こん)先生のことを思いだした。
みずからを昆と呼んで、虫や花、「小さないのち」を探求した。

子どもの頃、昆先生の家が近所にあった。あの日のことはよく覚えている。
いつもにこやかな昆先生だが、撮影現場の庭では、息をひそめるように静かだった。

立考:ずっとそうやっているの?
昆:そう。
立:生まれるところを撮るんでしょ?
昆:そうだよ。
立:さっきから、じっとしているだけみたい。
昆:そう。静かに待ってる。
立:それだけでいいの?
昆:そうだよ。待つんだ。
立:そうしたら、生まれるの?
昆:そう、他に何もないよ。
立:それで、あんなきれいな写真になるの?
昆:美しいものが、写真に映るだけだよ。
立:撮るんじゃなくて待つんだね。
昆:そう、待つだけだよ。

おなじ空気でつながっている。

いまになって、ようやくわかった。
なぜ、私の目の前に、蝶が共にいてくれるのかを。
静かに待つだけで、蝶とじぶんは、共にあることに気づける。

Just wait a while.

「わけへだてはいらない [心は自由]」

「じぶんは雲になる」

「環境は、もともと共感的な世界。」

出典・参照:佐々木昆『小さい生命』、Empathemian『水・空・いのち』

「Do Emp. 水・空・いのち」(インスタグラム)

佐々木崑