Empathemian, Menlo Park, California

『ロウソクの科学』は、マイケル・ファラデーが行なった青少年のためのクリスマス講演の記録です。

科学を学ぶのに、1本のろうそくほどすばらしい教材はありません。

ロウソクは、自分自身の力で光り輝き、自らを照らし、ろうそくをつくった人をも照らすのです。

ロウソクの燃焼で起きていること、私たちの呼吸によって身体内で起きていることは同じである。
ファラデーはそのことを、さまざまな実験で明らかにしました。

異なる物質どうしが親和して、化学物質をつくりだす様子は、すべてのいのちあるものと、じぶんとがつながっていることを、想像させてくれます。

ファラデーは、青少年に語りかけます。

ろうそくのように光り輝き、まわりを照らしてください。
人の敬愛に値し、人の役に立つ行いをする、1本の美しいロウソクであってください。


このことばは、天台宗開祖・最澄にも通じます。

一隅いちぐうらす。
お金や財ではなく、自分という「ろうそくの灯」をともすことが、国の宝になる。


ファラデーは、ロウソクに共感するまなざしを、空間にも向けました。
「空間がゆがんでいる」と考えたら、そのひずみが波として伝わるのだ、と考えたのです。
人間の目には見えない「電波」を見るためには、共感の力を活かして、自然と共に、想像し、思考をつくること。

ファラデーは、独学で科学の精神を身につけ、多くの発見をもたらしました。
その探求とは、ファラデーみずから、「ロウソク」になり、「電磁波」、自然の内側から想像し、共感を実験を組み合わせることだったのです。

じぶんが、1本のロウソクになる。

出典:マイケル・ファラデー『ロウソクの科学』、最澄『山家学生式』