心の整流化⑤ [じぶんにたずねる、じぶんをたずねる]

何を書いたらよいか?何を書くべきか?これらの質問には、暗黙の前提があります。「はい、これです」という回答があるはず、という前提。「自分のことはよく知っている」という前提。それらは誤解です。 そうではなく、書くべきことに出会うために書くのです。 声のあることばで、じぶんにたずねること、じぶんの心をたずねることです。

Ask yourself, and you’ll meet your purpose.(じぶんにたずねよ。生きる意味に出会うために)

心の整流化④ [声を書く、声に書く]

じぶんに語りかける、声のすることばが心に写り、刻まれます。書く時間がない?実は、時間がないのではありません。ある時間を使うための、かたち(ルーティン)がないのです。声を書く、声で書く、声に書く。時間ではなく、姿勢です。日記は、じぶんへの問いを書く場です。問いを立てることでじぶんが書くべきことに出会えるからです。

Seed your journal.(声を書く、声で書く)

心の整流化③ [手で紙に書く] 勇気のプラクティス

手で紙に書く行為は、最も身近な勇気のプラクティスです。何を書くのかわからないうちに書き出し、書き間違えます。クワやシャベルで土を耕す行為にも似ています。一回一回が本番です。書くと同時に直すことはできません。いったん書いた後に気づくのです。まちがえるかもしれないという「未知」とふれあう予感が、心の整流化を起こすのです。

Writing is a courageous act.(書くことは勇気のふるまい)

心の整流化② [書くとは、刻み写すこと]

書く、描く、掻く、欠く、画く。いろいろな漢字がありますが、「かく」という音の響きで表される行為には共通点があります。それは指先や道具の先で対象の表面を削ることです。何かを写し、残すことです。「かく」の原義はひとつです。それは、写し込む行為、刻み入れる行為、つくりだす行為。じぶん自身の声が心にうつされる、整流化現象です。

Writing is experiencing.(書くという体験)

心の整流化① [日記を書く]

日記をつける効用については科学的な研究も多くあります。不安やストレスを軽減する効果。免疫力を高める効果。ことばにして出すことは「整流化」です。整流化とは、流れをよくすること。ためこまないような流れをつくり、適度にスッキリさせること。ことばに出すことが、心を整えることです。何を書くか以前に、書くという行為そのものです。

I journal.(毎日、書いているよ)

Less is more (14) (取り出して、削り減らして、磨く)

キーボードで文章を書く時、スペースキー(間をいれる)と削除キー(さかのぼって削る)の使用頻度が圧倒的に多いことに、ふだんは気づかずにいますね。つくることは、削ること、磨くこと。書くという行為は、書いてから削っていくこと。考えとは、はじめからあるのではなく、素材をじぶんの身体から出して、それを減らしていくものです。

Less is more.(削り減らすと深まる)