Empathemian『Writing is experiencing』

Writing is a courageous act.(書くことは勇気のふるまい)

書くとは、ことばを刻み、写し、想像する行為です。

パソコンやスマホのキーボードで書くのは?
コンピュータの力を借りて書く行為です。

ペンや紙の発明がそうであったように、コンピュータもまた、地球の力を使っています。
道具の源は、地球にある物質と現象(電気、磁気、重力など)。
ですから、書く行為はみな、地球の力を借りることです。

でも、手で紙に書く行為は、やはり、特別な体験かもしれません。
「紙とペン」さえあれば、すぐに書き出すことができます。

何を書くのかわからないうちに、書き出すのですね。
言わば、じぶんが何を書くのか知るために、まず、紙の上にペンを持った手を動かし始める行為。
手書きは、まとまらない心にふれ、それを整える体験です。

実は、それだけではありません。
手で紙に書く時に、必ずや起きることがあります。

それは、書き間違えること。
指が先走って書いたことばに気づくことです。

後から、書いたものを消したり、直したりします。
後からしか、直すことはできません。
書きながら、同時に、直すことはできないのです。

あたりまえのよう聞こえる、このことが特別な体験?
そうです。
手で紙に書く行為は、いったん出し切る行為です。

土を耕す行為にも似ています。
クワやシャベルは、一回一回、土に入れる行為です。
おなじ瞬間に、掘って埋める、ということはできません。
一回一回が、本番です。

手で紙に書く時。
思い切って、いったん書き切ってから、ふりかえります。

そのような意識を持つことはないかもしれません。
気づかぬうちに、プラクティスをしているのです。

それは、短いじかんの、ひとつひとつにふれるプラクティス。
まちがえるかもしれない、という「未知」とふれあう予感が心の整流化をもたらします。

それは、いちばん身近な、勇気のプラクティスです。

心の整流化 ④ [声を書く、声に書く]へつづく

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出典・参照:以下のエンパレットなど

心の整流化 ① [日記を書く]

思い出すことはつくること

身につけるしくみ ③ (ウラ面)Unlearningとは?