Young girl in a white blouse and dark skirt peeks out a doorway from a dim room toward a sunlit cobblestone street.
Empathemian『Unlearning』

You won’t know until you try. (やってみないと何もわからない)

扉の前に立っています。

向こうに何があるかは、まだわかりません。

いいことがあるかもしれない。何もないかもしれない。
うまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。

わからないから、やめておこう。そう思えば、扉を開けずにすみます。失敗もしません。

でも、ひとつだけ確実なことがあります。
扉を開けなければ、その先で起こるはずだったことは、何も起きません。

私たちは、まだ起きていないことについて、いつも予想しています。

⚪︎たぶん、無理。
⚪︎うまくいく気がしない
⚪︎じぶんには向いていない。
⚪︎失敗する確率のほうが高い。

でも、それはまだ起きていないことです。

たとえば、1回のトライでうまくいく確率が30%だったとします。30%と聞くと、「70%はうまくいかない」と考えるかもしれません。では、同じ30%のチャンスが5回あったら?

少なくとも1回うまくいく確率は、80%を超えます。(*注1)

Empathemian『Unlearning』

Trying changes the odds.(トライすると確率が変わる)

くり返せばくり返すほど、起こる可能性は高まります。たった1%の確率しかないことでも、120回トライすれば、少なくとも1回起こる確率は70%になります。(*2)

毎日くり返す、その一回一回に、チャンスが宿っているのです。
これは、単に「何度も挑戦すれば、いつかうまくいく」という話ではありません。

実際のプラクティスでは、1回目と2回目は同じではないからです。

やってみると、何かが起きます。

⚫︎思ったよりできた。
⚫︎ここでつまずいた。
⚫︎やり方が違っていた。
⚫︎もう一度なら、少し変えられそうだ。

1回目のトライが、2回目の条件を変えます。2回目の経験が、3回目のじぶんを変えます。

トライするたびに、状況も、じぶんも変わります。

ところが私たちは、やる前に見積もった確率を、まるで決まった未来のように受け取ってしまいます。

おかしなことに、計算すれば確率が上がることには、なかなか目が向きません。
その一方で、

⚪︎たぶん無理。
⚪︎うまくいく気がしない。
⚪︎じぶんには向いていない。

という感覚は、まるで確かな予測であるかのように受け取ってしまいます。

でも、その「たぶん」は、本当に確率なのでしょうか。まだ何も起きていないのに、じぶんの感覚だけで、未来を先に決めているのかもしれません。

「できそうにないから、やらない。」
そう決めた瞬間、本当に確率は下がります。やらなければ、起こる可能性はゼロになるからです。

Nothing happens until you try.(じぶんでやってみないと何も起きない)

考えてみると、不思議なことがあります。

宝くじは、めったに当たりません。それでも買う人がいます。「買わなければ当たらない」と思うからです。

ところが、じぶんでトライすれば可能性を高められることになると、

⚪︎失敗したらどうしよう。
⚪︎まだ自信がない。
⚪︎たぶん無理。

と、やる前にやめてしまうことがあります。本当にそうでしょうか?

計算できる確率には目を向けず、じぶんの感覚でつくった「たぶん」のほうを信じてしまう。そして、その「たぶん」に従って、じぶんで可能性を下げてしまう。

Unlearningは、そんな見えないクセに気づくプラクティスです。

⚫︎まだ起きていないことを、起きないことにしていないか。
⚫︎まだ知らないじぶんを、知っているつもりになっていないか。
⚫︎「たぶん」を、確率だと思い込んでいないか。

確率は、外から与えられた数字だけではありません。

じぶんが動けば、状況が変わります。
状況が変われば、次の可能性も変わります。

Give it a try.(やってみよう)

トライとは、決まった未来を確かめることではありません。

まだ決まっていない未来の確率を、じぶんで動かすことです。

作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど

(*注1)1回の成功確率を30%とし、それぞれを独立した試行とすると、5回すべてうまくいかない確率は 0.7⁵≒16.8%です。したがって、少なくとも1回うまくいく確率は 1−0.7⁵≒83.2%になります。

*2)1回ごとの確率が1%で、それぞれが独立していると仮定した場合、120回すべて起こらない確率は0.99¹²⁰です。したがって、少なくとも1回起こる確率は、1−0.99¹²⁰≒70.1%になります。

実際のプラクティスでは、それぞれのトライは独立しているとは限りません。前のトライから学び、やり方や条件が変われば、次のトライそのものの確率も変わります。

暗黙の前提を入れ替える原理|Unlearning シリーズ(7回)

⚫︎話は逆です(結果を原因と思い込むクセ)|Unlearning ①
⚫︎答えは内側にある(答えを外に探すクセ)|Unlearning ②
⚫︎〇〇なんてものはない(概念を実体だと思い込むクセ)|Unlearning ③
⚫︎ 引き算せよ(足りないから足すと思い込むクセ)|Unlearning ④ 
⚫︎ おかげさまです(自分だけが原因だと思い込むクセ)|Unlearning ⑤
⚫︎ トライするから変わる(やる前に結論を決めつけるクセ)|Unlearning ⑥
⚫︎ だったかもしれない(ひとつの見方に決めつけるクセ)|Unlearning ⑦