Empathemian, 『Under the streetlight』

Lost your keys? Yeah, I lost them over there but this is where the light is. (カギを失くした?ええ、落としたのはあっちなんですが、こっちの方が明るいんで)

こんな話があります。

男A:どうされました?
男B:カギを探しているんです。
男A:カギ?
男B:ええ。落としちゃったんで。
男A:一緒に探しますよ。
男B:あ、どうも。

男A:見つかりませんね。
男B:あると思うんですけど。
男A:ここで落としたんですよね?
男B:いや。
男A:ここじゃない?
男B:落としたのはあっち。
男A:え!じゃ、なんでここで探しているんですか?
男B:ここは、電灯の下だから明るいでしょ。

人間の認知バイアスを物語る有名なジョークです。(*注1)

エンパレット「だれの都合で探していますか?」でも紹介しました。

本末転倒!
ですが、この笑い話を笑えない現実が、あなたの身にも起きているかもしれません。
気がついていないだけで。

たとえば、次のセリフに心あたりはありませんか?

〇〇って何ですか?
〇〇するにはどうしたらいいですか?
〇〇を教えてくれる、いい教材、ありませんか?
〇〇を教えてくれる、いい先生、いませんか?
すぐできる〇〇ないかな?
〇〇にいいことって、何ですか?
〇〇に効く方法ありませんか?
〇〇、何とかなりませんか?

教えをもらうことが問題なのではありません。
問題は、教えてもらうことが「あたりまえ」になっていることです。
そして、そのことに気がついておらず、ふりかえることもないことです。

目標は何でしょうか?

〇〇が(じぶんで)できるようになること
〇〇をすることでじぶんが変化(上達)すること
〇〇をじぶんで考えること、身につけること

教えてもらっておしまいになっているとしたら?

あちらは暗い(でもカギがある)(〇〇を身につける)
こちらは明るい(でもカギはない)(〇〇は身につかない)

身につけるとは?

歩けるようになったのは?
たくさん、転んだから、です。

話せるようになったのは?
お母さんのことばをまねたからです。

「うまくいかない」体験プロセスをもつことが、身につけることです。
一度も転ばずに歩けるようになった人って、いませんよね。

暗いところを探しても、なかなか見つかりません。
それが、よいのです。
暗いところを探せば、見つかるのですから。
明るいところで探すクセがつくと、何も探せなくなってしまいます。

出典・参照:以下のエンパレットなど

(*注1)だれの都合で探してますか?

落花生の都合

じぶんのフレームをつくる・使う [思い込みに気づく]

身につける ④ いちばん奥の窓をあけよう(これが真髄)

習慣:いちばん肝心なこと ③ じバリアに気づく