こんなことばがあります。
No one cares how much you know until they know how much you care.(*注1)
どれだけ知っているかではなく、親身になって気にかけてくれるか。
伝わるものは、知識や情報ではなく、おもいやる気持ちです。
careということばは、共感のふるまいを表すことばです。
ケアということばは、日本語の中にも定着しています。
スキンケア、ヘルスケア、デイケア、など。
世話をする、面倒をみる、という意味あいのことばが多いですが、
careは、本来、痛みや悲しみを共にするということばでした。
相手を思いやる、気づかう、おもんばかるという意味です。
英語の日常会話にはよく出てきます。
Care for coffee? (コーヒーはいかが?)
I don’t care. (別に、かまわない)
Be careful. (気をつけて)
Take care.(元気でね)
I care about you.(大切に思っている)
英語の単語を1:1で日本語に置き換えにくいのは、ケアはものの名前ではなく、「おもいやる」という心の働きを表すことば(動詞)だからです。
careは、じぶんの身におきかえて、相手を想像することば。(*注2)
そう思って、ひと言、声にしてみると、響きが変わります。
Take care.(じぶんを大切に)
出典・参照:『英プラ』 トレイル 1 (13)(21)(26) Take care. 英プラ「なりきりコース」(34)、以下のエンパレットなど
(*注1) セオドア・ルーズベルトアメリカ合衆国大統領のことばとして引用されています。
(*注2)「じぶんの身におきかえて」とは、じぶんの身に、身体的な感覚に結びつけて、という意味あいをこめています。相手に身になって考える、相手の立に立つ、といった表現があります。頭でそのように考えても、なかなか、実感を持ちにくいものです。痛みを感じるように、じぶんの身に結びつけて想像することなのです。