眠りはいのち。4回シリーズの3回目は、夢についてお話しします。
のびた:ねえ、ドラえもん、なんでどっちも夢って言うの?
ドラえもん:どっちもって何と何のこと?
の:眠ってみる夢も、希望の夢も。
ド:うーん、似ているからじゃない?
の:眠っている時の夢は変な話ばかりだけど。
ド:変な話っていうのは、自由にいろんなことが起きるってことだよね。
の:ねがう方の夢も自由に起きるの?
ド:未知のことに出会うってことだよ、きっと。
の:そうか。これまで知らなかったことが起きるっていうことか。
ド:Live your dream. ってことばがある。
の:あ、前にエンパレットに出てきたね。
ド:ねがう方の夢は見るんじゃなくて、生きるもの。
の:じゃ、眠る方の夢は?
ド:眠る方も、夢で創造しているから、おなじだね。
の:夢を生きているの?眠っている時も。
ド:そうだよ。夢は創作ノートみたいなもの。
の:ドラえもんは夢の中でアイディアをつくっているの?
ド:起きている時も眠っている時も、ずっとつながっているんだよ。
の:そうするとアイディアになるの?
ド:そう。そうやって、出したり入れたりのくりかえしで、できる。
の:ねがう方の夢も、きっとそうなんだね。おんなじだね。
私たちは、人生の1/3を眠りの中で生きています。
そんなに寝ていないという人でも、眠りが不足しているという人でも、1/4は眠りの中にあるでしょう。
その眠りで、私たちは夢を見ます。
いえ、眠りを生きています。夢そのものをつくりだしながら。
睡眠のサイエンスは、脳の活動(脳波)を測って、眠りの状態を明らかにしています。
睡眠には、サイクル(周期)と、段階(ステージ)があることが知られています。
・眼球が動く特徴で、睡眠の状態を区別したのが、レム睡眠とノンレム睡眠
・ノンレム睡眠とレム睡眠は、およそ90分ごとのサイクルで入れ替わる
・ノンレム睡眠には深さがあり、記憶を定着させるという働きがある
・レム睡眠は、記憶を統合し、より高度な目的のために活用する
夢を見るレム睡眠は、メンタルヘルスを整えるという重要な役割があります。
また、個々の情報から、抽象的な概念をつくり出す役割もあります。
夢は、心の整理と創造的な活動を兼ね備えています。
ウォーカーさんは、こう言います。
「その最たる例が、言語の習得だろう。赤ちゃんの脳は、個々の言葉を聞きながら、複雑な文法のルールという抽象的な概念を頭の中でつくり上げている。生後わずか 18ヵ月の赤ちゃんでも、初めて聞いた言葉から抽象的な文法を推論することができる。ただし、初めて言葉を聞いたその日のうちに眠ることが条件である。」
「赤ちゃんはとくにレム睡眠が多く、そして言語の獲得にはレム睡眠が欠かせない。大人になってから外国語を学ぶときも、同じような効果がある。」
ところで、レム睡眠・夢の活動はいつ行われるのかをイラスト図にしてみました。
夢の大半は明け方から、目覚めるまでに起きていることがわかります。
いままで、考えてみたこともなかったという人は多いのではないでしょうか。
明け方は、創作の場だったのです。
単に、たくさん寝ればよいのではなく、最後の2時間に夢をつくることなのですね。
「眠りはいのち④夢を活かす」へつづく
Live your dream.
Dream creates your everyday life.
出典・参照:Matthew Walker『Why we sleep』、James Hamlin 『If Our Bodies Could Talk』