Empathemian『You’ll be up there』

Keep going. You’ll be there.(歩いてゆけばたどりつける)

道は、まっすぐではありません。
平坦でもありません。
まっすぐで、平らな部分があるところもあるけれど、曲がりながらのぼったり、おりたり。

だからこそ、目標にたどりつくことができます。
山の道をまっすぐ登るのは、とても困難です。
道がゆるやかに、ぐるぐると進ませてくれるからこそ、すこしずつ登っていけるのです。

そんなのあたりまえだ、と言うかもしれません。
いいえ。大切なことを忘れています。

All you need to do is keep going.(大切なのは、歩み続けることだけ)

ふだんの生活も、道とおなじです。
ものごとは、急に達成しません。
すこしずつ、順に進むからこそ、上達するのです。

じぶんにできないことで、うまくなることは決してありません。
できることがすこしずつ伸びてくるから、うまくなります。

続けることが、道。
道だと思えるようになり、歩く心得ができてくると、上達の速度は速まります。

オリバーサックスは、こう言います。

「ヘルムホルツも回想録『医学の思考について』で、登山のイメージを使い、登り道はけっして直線ではないと説明している。ゆっくり苦労しながら、数えきれないほどまちがっては修正し、ジグザグに登っていく。
山頂に到達してはじめて、実は頂上への直接ルート、つまり「王道」があるとわかる。じぶんの考えを示す時は、この王道で案内するが、それはじぶんで道を切り開いたときの曲がりくねって入り組んだプロセスとは似ても似つかないと語っている。」

一般の山路トレイルは、もちろん、登山とはちがって、道は整備されています。
学習もいろいろな教えや手引きによって、道は用意されています。

それでも、いちばん肝心なことは、じぶんでやってみる、試してみる、いろんなふうに歩いてみる、というところにあります。
シンプルに人に話せるようになるには、曲がりくねった道を歩む体験が必要なのです。

道があるからふりかえれる(トレイルにゆだねて⑤)へつづく

道があるからひと休みできる(トレイルにゆだねて③)にもどる

出典・参照:オリバーサックス『意識の川をゆく』、以下のエンパレットなど

「変化するじぶん」を生きている

いそがなくたっていいんだよ

共感の精錬 (6) 鉱物資源と地名

オリバー・サックス

ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ