ドレミファソラシド、8つの顔

小学二年生の時、私は嬉々としてピアノのレッスンに通っていました。先生が産休をとり、別の新しい先生に紹介されました。そちらに通い始めたある日のことです。部屋で先生を待つ間、私はある計画を実行しました。家のピアノでも試していたので大丈夫。成功を目に浮かべて、期待を膨らませました。

それは、ピアノの練習曲ではなく、先生を喜ばせる、あるアイディアでした。ピアノの鍵盤「ドレミファソラシド」にひとつひとつ顔をつけるのです。ある日、先生がピアノを引く時の鍵盤のあがりさがりが、ドレミファソラシドという小人に見える「ひらめき」でした。小さく丸く切り取った広告の裏紙に描いた8人の顔。鍵盤の上に並べ、そっとふたを締めます。開ける瞬間の「驚き」を想像してうれしくなりました。