Capture the most critical essence.(最もクリティカルな本質を捉えよ)
□い?
漢字で1文字。
ひらがなで3文字。
「原理を身につける (1) ことばは、〇〇。」で、こう書きました。
言語は、声の身体運動。
空気の物理現象。
そして、もうひとつ、クリティカルなことがあります。
ことばは、脳の認知プロセスです。
Language sound is short.(ことばの音は短い)
プロセスを順に追ってみましょう。
息をはいて声にします。
声にできるのは、息が続いている間だけですね。
ほんの、2秒ほど。
長く続けて話しているようでも、必ず息つぎをしています。
無意識に、です。
音声は、瞬間の出来事です。
発生と同時に刻々と消えます。
逆に言うと、消えゆく瞬間にすくいとり、脳内で復元するプロセスです。
You produce speech sound.(発話音はつくるもの)
発話はセリフからなります。
ひとつのセリフは、連続的な身体動作です。
アゴ、口、舌などを動かし、
身体内空間を共鳴させます。
1秒間に、5-7回ぐらい。
ひとつひとつの動きが、いわば音の粒をつくり、それが連なって伝わります。(*注1)
It’s a cognitive process, deep down.(認知プロセスそのもの)
音は、脳の処理活動です。
1秒の間に、次々に処理していきます。
ふだん、聞くという行為は、こんなイメージではないでしょうか。
・耳から音声が入ってくる
・音声の意味を理解する
・単語の意味を知っているからわかる
このように書いて、違和感はありませんか?
文字で書かれたものを読む時なら、
・目から文字が入ってくる
・文字の意味を理解する
・単語の意味を知っているからわかる
そのように書いても不思議はなさそうです。
が、音は瞬時に消えていきます。
また、音は後に戻ることもできません。
瞬時に、音列を処理しないと間に合わわないのです。
It’s really time-sensitive down to 0.1 second.(0.1秒単位の時間がクリティカル)
現実に起きていることは、タイムクリティカルです。
もちろん、無意識的・自動的に、脳が処理しています。
聞くとは?
脳内で音列として復元すること。
話すとは、音列を再現することです。
思い出して、再現するのです。
母語の場合、意識することなく、瞬時にこなせます。
身体化している(=身についている)から。
英語(外国語)だと、そうはいきませんね。
まだ身についていないことばにふれることで、気づけます。
物理現象かつ認知現象である、言語。
認知のプロセスをアニメーションにしました。
ごらんください。
You replicate sound with rhythm.(声音を再現する)
英語の音が聞き取れないのは?
1秒以内の時間で処理しきれないからです。
実は、全部が聞き取れない、のではありません。
聞こえる音と、聞こえない音があります。
それを、脳が瞬時に仕分けしています。
脳に馴染みのない音は、聞き取れません。
じぶんが音で身につけていることばなら、聞こえます。
自己流(日本語の音)で覚えている音は、聞こえないことが多いのです。
つまり、じぶんで出せる音と近い音かどうか、です。
聞こえるためには、音列を処理できること。
そのためには?
じぶんの脳内に、音列のレプリカをつくる練習します。
レプリカ?
そうです。
原理を身につける (3) ことばは〇〇〇のやりとり。へつづく(明日の配信後にリンクされます)
出典・参照:以下のエンパレット、英語トレイル・リズム・ミラーなど
(*注1)アゴの下に手を当ててみましょう。何かを話すたびに、アゴが下がります。アゴの動き・回数は、音を共鳴させる動き・回数と連動します。声の素は、肺の上昇気流をノド奥の声帯を震わせることですが、それをさらに、舌の前の空間と後ろの空間を共鳴させることで「母音」になります。英語は、1秒間で5-7回ぐらい、あります。この回数が「音節」です。日本語は、音節に相当する区切りをモーラ(拍)と呼びますが、ひらがな1文字に相当します。英語は、1音節で1単語のことばを使用する頻度が圧倒的に多く、しかも短い音・長い音を交互させるリズムで話すため、日本語よりも、ことばの音が圧倒的に短い言語だと言えます。