Empathemian『Resonance』

Turn it the other way around.(反対向きに考えてみなよ)

英語の学習で、こんなことをよく言いますね。

R(アール)の発音はむずかしい。
L(エル)の音がうまく出せない。
日本人は、英語のRとLの区別がつかない。

ところで、Rの発音って何でしょう?
Rという文字の読み方?
それとも、その音を表現する文字のこと?

さかさまに考えると、よく見えることがたくさんあります。
というより、あなた発想(世間の常識)の方がさかさまになっているのかもしれません。

書かれているものを読む時、どんなふうに発音するのか?
この出発点が、実は、ことばの元々の姿からはかなりずれています。

どちらでしょうか?

(A)文字に音がついている
(B)音に文字がつけられている

どちらも、おなじことでは?
と、決めてしまう前に。
(B)を原点に考えてみましょう。
Rの文字に音がついているのではない、音に文字がわりふってある、と。

日本語では、「文字を読む」言いますね。
「文字に音がついている」という感覚。
ひらがなは、文字と音が一体化しています。
ひとつの文字にひとつの音。
子音と母音は、ひとつのカナモジで一体化しています。

日本語は、外来語を含め、たくさんのことばを習います。
文字の読み書きがその中心。
話す時も、頭のどこかで文字を読むをように話しています。

Empathemian「スプーンのイメージで舌を後ろにひく」

英語は、その反対です。
音に文字がついているという感覚。

単語は、文字で綴られてはいても、その文字を読むことはありません。(*注1)
また、音はセリフの中でまとまりを持っていて、音が変化します。
子音(風を出す音)と母音(アゴを下げ、口の中の音を共鳴させる音)は、別々です。

Empathemian 「舌の前の空間」

で、どんなふうに発音するの?
舌をそっと後ろ(ノドのほう)に引きます。

Rのつく単語。
Rの音があるのではなく、舌が移動中の音です。
ほんの少し引くだけで、音が変わります。
共鳴する音なのです。

Empathemian「舌の後ろの空間」

共鳴?
こんなふうに考えてみましょう。
口の中に空間があり、舌が区切りのスライドドアのようになっている。
つまり、ふたつの部屋があります。

(A)舌の前側の部屋(口の空間)
(B)後ろ側の部屋(ノドの空間)

アゴやくちびるを動かして口の中の空間全体をつくっています。
舌をほんのすこし動かすだけで、それぞれ、部屋の大きさが変化し、共鳴音が変わります。
その共鳴が出る時のことばに、Rの文字でしるしがついているわけです。

ピアノの鍵盤のように、ひとつ押すとひとつ音がでる、というのではなくて、舌を移動する時に変わる共鳴音。(*注2)
ことばは声の身体運動。
なので、ことばの解説はこの辺で、英プラをお試しください。
毎日の配信には、ピンポイントのツボと、以下のような動画があります。(*注3)

(38) セオリー&ドリル「Rのつく母音」It should work.

母音の秘密(「あいまい母音」ではなくて、運動中のカタチ)

円と三角とカタツムリ [声をカタチに変換するフィルター]

出典・参照:英プラで配信する「ツボ」、以下のエンパレット、miniプラ動画など。

英プラページ「英語が使えるじぶんに変わる」

(*注1)音と文字がつながらない(読めない)というディスレクシアという障害があります。

(*注2)showerは、シャワー。motherは、マザーと読み、カタカナで書きますね。日本語と英語は、音素(音の最小単位)の区切れがちがいます。英語では、show er, moth erです。 それぞれ、show, mothの音素に、erで表されるRの音がつながります。舌をすこしスライドさせる音は、むずかしくありません。言いづらい理由は、シャワーのワの音、マザーのザの音を言ってしまうからです。つまり英語の音を出すのがむずかしいというよりも、日本語のカナモジ音を出してしまうためにむずかしくなるわけです。

母音を決めるのは「フォルマント周波数」に依存します。フォルマントは、共鳴する周波数の範囲を表します。共鳴する空洞の大きさや形との間に一定の関係がありますが、舌の前後運動や唇のカタチによって変動します。運動の姿勢が音のパターンとなり、そのうち、頻度の高いパターンがRという記号で表現されているわけです。

(*注3) miniプラ動画は1-2分のコンテンツです。300を超えるライブラリーがあります。