Empathemian『Thank you cochlea』

Voice nurtures the mind.(声が心を育む)

心の源泉は、自然にあります。
自然現象は複雑です。
なので、複雑なことを単純に捉えることも、心の働き。

声にカタチにすることも、そのひとつです。
できるだけ、話を単純化してみます。

円と三角とカタツムリで?
そうです。

まず、円と三角は、カタチの代表です。(*注1)
カタツムリは、雨の日に出かける、生物のカタツムリではなくて、耳の奥の蝸牛かぎゅうという器官 (英語はCochlea)です。
カタツムリのような、らせん構造のフィルターを通って、音の信号が脳に送られます。(*注2)

音って何でしょう?
物質の振動が伝わる現象です。
ふだん聞く音は、空気の振動。
空気の粒がぶつかりあってできます。
ひと言で音、といっても、いろいろな振動が混ざっています。

では、声とは?
肺から出す気流を、アゴ、ノド、舌、唇など動かして共鳴させてつくる、ことばの音。
身体から出した空気の粒の振動が伝わります。
空気の粒の濃淡(気圧の変化)を感知し、耳奥のカタツムリを通して、受け取ります。

私たちの身のまわりには、いろいろな「くりかえし」現象があります。
くりかえす動きの代表は「回転」と「振動」です。

回転は、ぐるぐるとまわる運動。
振動は、波のようにゆれる運動や、バネのようにはねる運動。

「回転と振動」(Gifer)

回転も振動も、数式で表すことができます。
それは、三角と円の性質を利用した、「三角関数」です。(*注3)

挿絵アニメーションのように、回転と振動は、じつはおなじ動きをちがう視点でみたものです。
音という振動(音波)には、いくつもの波が混ざっているので、複雑な波形をしています。

複雑な波を、単純な波の足し合わせに分解できたら?
その方法を編み出した人が、ジョセフ・フーリエです。(*注4)
今日、フーリエ変換と呼ばれる分解フィルターが、あらゆる分野で使われています。(*注5)

よく使われるたとえは、料理のレシピです。
タレの中身は何か。成分を言い当てること。
あるいは、混ざり合った絵の具の色から元の色を当てるなど。
そんなことが一瞬にできたら、すごいですよね。

虹は太陽光の成分を7色に分解する、自然のフィルターです。
プリズムは、そのツールですね。
フーリエ変換も、おなじように、波を周波数ごとに成分分解するツールです。

Empathemian『Inner Ear』

数式で表せるのですから、コンピュータの出番です。
数値データを計算して、複雑な波も成分に分解して、いろいろな応用ができます。

スマホは、その集積といってもよいかもしれません。
写真、動画、音楽。
人間には見えない、聞こえない部分を圧縮することでデータを小さくしています。
ナビや音声入力の技術にも、欠かせません。

さて、話はここでおわりではありません。
今度は、エンパシームの出番です。

コンピュータは瞬時に計算できても、人間にはわかりません。
ごく一部の、専門の研究者が使うためだけでなく、だれもが、直感的にわかる表現に変えたいです。
また、それを具体的に使って、プラクティスに役立てたい。

円符 (Emp) 波から粒のまとまりへ

エンパシームの中のシード(ひと息ごとの発話表現)が、そのツールです。
音声波形や声紋グラフなどをごらんになったことがあるでしょう。(*注6)
たくさんの情報が含まれているのですが、さすがに知識がないとサッパリわからず、直接、学習に役立てるというわけにはいきません。
なので、ひと息のセリフ(シード)を、単純な色の粒の連なりに変換した「円符表現」を編み出しました。

・波として表すだけでは、わからない
・音のまとまり、区切れ、間合いを表す
・声の調子、全体の長さを表す
・直感的にわかるように

言ってみれば、フーリエ変換されたデータを、エンパシーム変換するのです。

・自然の現象を、人間が編み出した方法で数式・データにする(コンピュータが使える声のカタチ)
・それを人間がわかるような表現にする(あなたが想像できる、声のカタチ)
・それを使って人間がプラクティスする(あなたが利用できる、声のカタチ)
・それを使ってあらたな情報をうる(みんなで利用できる、声のカタチ)

円符を味わえる動画・エンパレットをどうぞごらんください。

「話せない・聞こえない・使えない」英語の克服と上達のカギはひとつ

英語習得の最大のボトルネックを克服する「2秒」

ことばを身につける ⑤ 「ほんの3分で変化が生まれる」

出典・参照:SomniQ 「Emp Generator/Visualization of Speech』、以下のエンパレット

空気つぶの海で[音って何?]

声にもありがとう

声の鏡「円符の発明」

円符の中身(動画)

(*注1)カタチの代表は円と三角。三角形は図形の最小単位です。点を結んでできる図形は、三角形を足しあわせたもの。さらに、直角三角形は、三角形の代表です。どんなカタチの三角形も、直角三角形の和で表せます。一方、円は、大きさがちがうだけで、すべておなじカタチをした、特別な図形です。

(*注2)音波は 鼓膜→中耳→内耳→蝸牛の順に伝わります。らせんは先に向かって細くなるチューブ。その壁面の有毛細胞がリンパ液の振動を感知し、その位置する場所によって、周波数ごとに音を分析し、脳に送る電気信号に変換します。

(*注3)三角関数 (trigonometric function)。直角三角形の辺の長さの比と、角度の関係。trigonon (triangle・三角形)と、metry (measure・測る)をあわせたことば。幾何(図形)と代数(変数同士の関係)が結びつき、また円と組み合わせることで、回転と振動という自然現象をとらえるツールになります。

(*注4)19世期初頭、熱の伝導、音の伝播など、物理現象をシンプルな数式に結晶化させた、フランスの物理学者、数学者。現代のサイエンス&テクノロジーのあらゆる分野にその名を残します。フーリエ級数、フーリエ解析。フーリエ変換、音と言語のサイエンスにも欠かせません。

ジョセフ・フーリエ

(*注5)原点は、(ほぼ)すべての関数は、三角関数の級数(無限の重ね合わせ)(フーリエ級数)をベースに、合成されている波を分解するフィルターツール。単純化して言うと、波のかけ算をして、その結果からまざり具合を逆算します。多くの教科書、解説書もありますが、テクニカルな内容よりも、世界の捉え方コンセプトとして知っておくとよいですね。ウェブの記事紹介では:

柳下浩紀「フーリエが拓いた関数の新たな世界」

桜井進「フーリエ変換と波の関係」

(*注6)声紋せいもんとは、音声の周波数ごとのに分解(スペクトル分析)して、フォルマント構造(共鳴周波数の範囲)を紋様化したもの。挿絵イラストの黒い模様です。大脳では、いわば、このフォルマント構造が記憶と結びつき、母音の感覚となります。母音は、フォルマント周波数(共鳴する空洞の大きさや形に比例する)に依存しますが、舌の位置や唇はそのちさじ加減をつくります。